[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2019年2月号 292号

(2019/01/18)

【オウケイウェイヴ】日本最大級のQ&Aサイト運営会社がブロックチェーン技術を中核に新たな成長を目指す

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兼元 謙任(かねもと・かねとう)

兼元 謙任(かねもと・かねとう)

1966年7月愛知県生まれ。愛知県立芸術大学卒業、GK京都、ダイワ、イソラコミュニケーションズなどでデザイナーとして活躍。99年、(有)オーケーウェブを設立。自ら開発した「質問回答サイト」をOKWebコミュニティとして事業化。2000年2月、オーケイウェブに組織変更、代表取締役に就任。06年1月、(株)オウケイウェイヴに社名変更。18年7月代表取締役会長に就任。著書は『グーグルを超える日』(ソフトバンククリエイティブ)、『ホームレスからのリベンジ』(小学館)など多数。

積極的な提携・買収戦略を展開

 日本初、日本最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」(Q&Aデータベース3600万件以上)を中核事業とし、そのQ&Aサイトの仕組みを元にした企業向けソリューションの開発・提供を行っているオウケイウェイヴ*が、ここへきてブロックチェーン技術を軸に業績を大きく伸ばして注目されている。

 同社は、兼元謙任氏が1999年7月設立、来年創業20周年を迎える。同社はQ&Aサイト「OKWAVE」のほか、法人向けに「OKWAVE」の運営ノウハウを基にしたFAQシステム「OKBIZ. for FAQ/Helpdesk Support」などを展開、2006年6月には名古屋証券取引所セントレックスに株式上場を果たし、日本において米マイクロソフトコーポレーションと資本・業務提携(08年)した唯一のオンラインサービス企業としても注目された。

 上場後は、事業の拡大のために積極的な提携・買収戦略を展開。06年8月に、消費者参加型の病院評価サイト「病院の通信簿」や看護師向けのコミュニティーサイト「NURSE CAFÉ」を展開するフィードバック・ジャパンに資本参加したのをはじめ、同じ8月には携帯電話端末向けサイト運営のエアロノーツを買収。07年10月翻訳ソフト開発のクロスランゲージに資本参加。12年10月多言語対応のコールセンターを運営しているブリックスを買収。13年5月には米国の全額出資子会社OKWAVE USA, Corporationを通じてWebサービス提供による広告事業を展開しているDavia,Incからデジタルグリーティングカード事業を相次いで買収した(※いずれも発表当時に基づく)。


【沿革】
1999年7月東京都町田市にて当社設立
2000年1月Q&Aサイト「OKWAVE」の正式運営開始
2月有限会社から株式会社に組織変更、本店を東京都渋谷区に移転
7月FAQ作成管理システム「OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support」の提供開始
11月「OKWAVE」の他サイトとの連携サービス開始
2003年4月FAQ作成オペレーション支援コンサルティング「OKWAVE FAQ Management」の提供開始
2005年10月「OKBIZ.」シリーズが2005年度グッドデザイン賞を受賞
2006年1月現社名の株式会社オウケイウェイヴに商号変更
6月名古屋証券取引所セントレックスに株式を上場
2007年10月楽天株式会社と資本・業務提携(現在、資本提携は解消)
11月米国子会社OKWAVE USA, Corporation設立
2008年3月米国Microsoft Corporationと資本・業務提携
10月Q&Aサイト「OKWAVE」がグッドデザイン賞を受賞
2009年9月専門分野に特化した有料モバイルコンテンツ配信開始
2010年5月当社初となるヘルプデスクシステム(OKBIZ.シリーズ)に関する特許取得
2012年3月ユーザー参加型コミュニティサポートサービス「OKBIZ. for Community Support」の販売開始
10月株式会社ブリックスを子会社化
2013年4月米国Davia, Inc.のデジタルグリーティングカード事業を事業買収
5月オウケイウェイヴ総研を設立
2014年1月専門家・企業が回答する「OKWAVE Professional」の提供を開始
2016年6月医療情報サービス子会社の株式会社OKEIOSを設立
2017年3月宅地建物取引士向け情報サービス子会社の株式会社OKGAIAを設立
10月ブロックチェーン関連事業を行う海外子会社OKfinc LTD.を設立
2018年5月ブロックチェーン開発を専門とするOK BLOCKCHAIN CENTRE SDN. BHD.を設立
7月株式、日経225、FX、商品先物取引を取り扱うプレミア証券株式会社を子会社化

 しかし、業績は決して順調とはいえなかった。14年6月決算では売上高こそ32億円と前期の26億9800万円を上回ったが、営業利益は-3億5000万円(13年6月決算-9400万円)、経常利益-3億4000万円(同-9700万円)、当期純利益-4億1000万円(同-3億6100万円)と2期連続の赤字を計上するという苦い経験も味わった。原因は、ソーシャルメディア事業(当時)での競争激化による広告単価の下落である。


成長戦略「ABCテクノロジーとの融合」

 そのオウケイウェイヴの18年6月期決算は、

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