盛り上がりを見せるベンチャー企業M&A
日本企業によるM&Aが活況だ。2018年のM&Aの件数は過去最多という。
年々M&Aが増加している要因の一つとして、ベンチャー企業への投資があげられる。2018年においてもベンチャー企業が関連するM&Aは前年に比べて50%増加し、M&A件数の3割を占める。事業会社本体による投資も増えており、背景には、事業会社内に既存事業の将来性に対する危機感がある。かつてのような自社内だけで完結させていた体制ではイノベーションに対応するスピードやリソースの配分が限界になり、自社が保有していない技術力を持つベンチャー企業と組むことで迅速にイノベーションを実現し、新規事業の育成や主要事業の強化を狙う。
一方、ベンチャー企業側においても意識の変化が起こっている。大企業の人材やネットワーク等のリソースを活用することで、更なる成長を目指す狙いがある。M&Aの「時間を買う」というメリットを出資する側とされる側の双方が享受できることが、ベンチャー企業への投資が活発になっている要因となっている。
しかし、ベンチャー企業のM&Aには通常のM&Aと異なる側面があり、注意も必要だ。
増える事業会社自体によるM&A
レコフデータの集計によると、2018年のベンチャー企業を対象としたM&Aの件数は、