[特集インタビュー]

2025年1月号 363号

(2024/12/10)

【丸の内キャピタルの担当者が語る】永谷園ホールディングスのMBOの経緯と成長戦略

武藤 貴史(丸の内キャピタル マネージングディレクター)
濱田 真彰(同 ディレクター)
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武藤貴史・マネージングディレクター(左)と濱田真彰・ディレクター

武藤貴史・マネージングディレクター(左)と濱田真彰・ディレクター

 永谷園ホールディングス(HD)がMBOを目指して丸の内キャピタルと実施したTOBが2024年7月に成立、9月27日東証プライム市場を上場廃止となった。丸の内キャピタルは2008年に三菱商事が設立した企業投資ファンド運用会社。

 永谷園HDの起源は、江戸時代の山城国湯屋谷村(現:京都府綴喜郡宇治田原町)で茶業の他、湿田改良などの事業を行った篤農家・永谷宗七郎(のち永谷宗円)にさかのぼる。その後、10代目にあたる永谷嘉男が1952年に「お茶づけ海苔」を考案、製造販売を開始し、1953年に「株式会社永谷園本舗」を設立した。業界で初めてフリーズドライ方式の即席味噌汁(あさげ、ゆうげ)を開発したほか、ふりかけ類、スープ類に事業を拡大。さらに、2013年にはシュークリーム専門店「ビアードパパ」を展開する「麦の穂ホールディングス」(現・DAY TO LIFE)を買収するなどして業容拡大を図っていった。1976年12月には東京証券取引所市場第2部に上場、1983年10月に東京証券取引所市場第1部に上場、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第1部からプライム市場に移行した。

 2024年3月期の連結決算は、売上高1138億円(前年度比3.1%増)、営業利益60億円(同13.2%増)と増収増益となっている。国内食料品事業は売上高564億円(前年比2.7%増)、海外売上高は420億円で連結売上高の37%を占める。海外では2016年に英フリーズドライ会社のブルームコの買収などを進め、果物を乾燥させたフリーズドライ製品や麺、ギョーザの皮といった小麦粉製品を販売している。

 増収増益の老舗企業がなぜMBOに踏み切ったのか。丸の内キャピタルで本件を担当している武藤貴史・マネージングディレクターと濱田真彰・ディレクターに、MBOの経緯と今後の成長戦略について聞いた。

<インタビュー>
 3つの課題を創業家、三菱商事とタッグを組んで解決し、再成長を加速

 武藤 貴史(丸の内キャピタル マネージングディレクター)
 濱田 真彰(同 ディレクター)
<目次>
  • MBOに至った経緯
  • 3号ファンドから出資
  • 新しい経営体制
  • バリュークリエーションチーム
  • 投資家から見た永谷園HDの魅力
  • 海外で展開する2つのビジネス
  • 成長戦略としてのM&A
  • エグジット

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