2025年1月20日に発足した米国トランプ政権は、発足直後から矢継ぎ早に選挙公約を推し進めている。これまでに発表された政策を眺めると、バイデン前政権が推進した政策のことごとく逆を行っていることが鮮明である。関税政策しかり、気候変動対策しかり、である。規制緩和もそのうちの1つで、バイデン政権時代に導入されたAI開発に関わる行政命令(AI開発者に安全性テストの結果を政府と共有する義務)を撤回したことで、AI開発の加速化が期待されている。
AI開発で日本企業が絡む政策として注目されるのが、トランプ大統領自身が1月21日に公表した「スターゲート計画」である。これは、日本のソフトバンクグループ(SBG)と米国のOpen AI、オラクル、そしてアブダビ首長国のMGXが共同出資で会社を設立、SBGとOpen AIがリードパートナーとなり、米国でのAI開発に4年間で5000億ドル(約76兆円)を投資して、AIのインフラストラクチャーを構築しようとする一大プロジェクトである。この5000億ドルという投資金額は、かつて米国が進めた「アポロ計画」の3180億ドル(現在の貨幣価値で換算)を大きく上回る規模であり、日本政府の2024年度予算(約112兆円)の7割弱に当たる。このことからも、今回発表された計画がいかに巨大なものかが分かる。
上記4社が初期出資する共同会社の会長には