松本守祥氏(左)、鈴木祥平氏
新型コロナ禍の影響で取引ボリュームが拡大 ―― WMパートナーズは、2022年1月に、運営するファンドによって国内のプライベートエクイティ(PE)ファンドのLP投資家である地方銀行、生命保険会社、損害保険会社、事業会社の合計13社から出資分を買取されました。近年このLPセカンダリーファンドが存在感を増していると言われています。その背景についてご説明いただけますか。
松本 「リーマンショック以降、国内の好調な株式市場、低金利、政府によるPEファンドやスタートアップ支援等を背景に国内のPE市場は拡大基調にあります。その中でLP投資家の顔ぶれや投資目的も多様化しています。地銀のオルタナティブ投資の割合も増加しており、ベンチャーキャピタル(VC)に対しても年金や事業会社がLP出資に積極的に参画されています。グローバルのPEセカンダリーマーケットは、2019年に$88billionでした。2020年こそ新型コロナのパンデミックの影響で取引ボリュームが全世界で$60billion程度になりましたが、2021年は$100billion以上になったと言われています。
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■松本 守祥(まつもと・もりよし)
慶應義塾大学法学部卒。1989年日本アセアン投資(JAIC)入社以降、日本・米国・東南アジア・中国での投資部門にて現地パートナーとのグロースファンド、及びCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を運営。2007年シリコンバレーにて米国子会社CEO、2009年よりJAIC代表取締役社長、2012年取締役会長。2002年以降プラベートエクイティポートフォリオ及びファンド出資持分への買収型投資(JSPF Fund Series)の執行総責任者(CIO)。2013年7月にWMパートナーズ株式会社を設立し代表取締役会長に就任(現任)。
■鈴木 祥平(すずき・しょうへい)
東京理科大学理工学部卒。2006年株式会社みずほフィナンシャルグループに入社。株式会社みずほ銀行での法人営業を経て、2011年より、みずほインベスターズ証券株式会社(現・みずほ証券株式会社)にて新興市場上場企業に対する市場変更、スタートアップ企業に対する上場支援、企画業務等に従事。2014年からは、みずほ証券株式会社にてPEファンドへのLP投資、スタートアップ企業への直接投資、GP会社設立、事業会社に対するオープンイノベーション推進・コーポレートベンチャーキャピタル設立支援、企画業務等に従事。2021年7月にWMに参画。