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(2014/09/10)
農業改革の機運が高まっている。1991~2010年の20年間で日本の耕作放棄地は2倍に増え滋賀県と同面積になる一方で、農業就業者は40%以上減少し平均年齢は65歳を超えた。この間、農業総産出額も11兆5000億円から8兆1000億円に減少した。農業の危機的な状況の打開に向けて安倍政権は発足直後から「攻めの農林水産業」を掲げ、農業・農村の所得や農林水産物・食品の輸出の倍増を打ち出した。
具体的には生産現場を強化するため、耕作放棄地の増加防止に向けて農地の貸し手と借り手を仲介する農地中間管理機構(都道府県の第三セクター)が創設された。また、企業の農業参入促進に向けて、2009年の農地法改正によって一部緩和された農業生産法人への出資規制を政府はさらに緩和する方針と伝えられている。
また、農産物の付加価値増大の施策のひとつとして、国と民間の共同出資による農林漁業成長産業化支援機構が設立された。同機構と地銀等との共同出資によるサブファンド(以下「農業ファンド」という)は40余り設立され、いわゆる6次産業化(注1参照)事業に取り組む企業への資金的な支援などを2013年に開始した(図表1参照)。
さらに最近では規制改革会議の答申を受けて、政府は全国農業協同組合中央会(注2参照)を含めた農協の在り方の見直しを決定した。改革のレベルは当初作成された原案から後退したとも言われているが、60年ぶりに農協改革が政治の議題に上がったことを評価する見方は少なくない。
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