[M&Aの現場から]
2017年5月号 271号
(2017/04/17)
日本創生投資は2016年4月、三戸政和氏によって設立されたプライベート・エクイティ(PE)ファンドの運営会社。
三戸氏は、1978生まれ。同志社大学商学部を02年に卒業。その後、ソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)のインキュベーション部、SBIホールディングス海外事業部シンガポール駐在インド担当を経験。11年に兵庫県議会議員選に出馬し、1期務めた後、英国で輸入・食材卸会社Tajimaya UK Limitedを立ち上げ代表取締役に就任、16年4月に日本創生投資を設立した。
「SBIグループに在籍して、国内外の投資先に経営参画しながら、成長戦略、株式公開支援、M&A戦略、企業再生戦略などを行っていましたが、シンガポールに駐在した頃から、日本の地方の潜在力を強く感じ、地方の再生が日本創生に繋がると考え、兵庫県議会議員となり、地方分権を進めながら地方経済の活性化の推進を図りましたが、政治の世界は時間軸が長く、地方を変えるには得意の分野である企業投資の方が早いと考えました。地元に戻って地方経済を俯瞰すると、中小企業の活性に大きな課題を感じ、実際に日本の企業の99.7%を占める中小企業の数は、91年のバブル崩壊以降14年までに約135万社も減っているという現実がありました。
ご存知のように、中小企業の存続の妨げとなっている理由に後継者不足が原因として挙げられます。日本の中小企業社長の平均年齢は高齢化の一途を辿っていて平均年齢は、90年の54.0歳から04年は57.0歳、15年では59.2歳となっており、年々高齢化しています。その一方で社長の交代比率は、90年の4.58%から、01年の4.09%、15年では3.88%と緩やかに低下していることから、適切な事業継承が行われていないことがわかります。これは後継者の決定状況からも読み取ることができまして、大手企業の56.6%は後継者が決まっているのに対し、中規模企業は43.3%、小規模企業に至っては、32.8%と企業存続のため、後継者確保が必要となっています。
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――4月1日「オリックス・クレジット」から「ドコモ・ファイナンス」に社名変更
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