[M&Aスクランブル]
(2019/01/09)
世界のM&Aは2018年も大型化が進む中で順調に拡大し、日本企業が絡んだM&Aは金額、件数とも過去最高を更新したようだ。こうした中で、2018年の中国においては通常とは毛色の違う企業買収が特徴的だった。というのも国有企業が民間企業への出資を積極化して、再びその支配力を高めるような動きが目立ち始めたからだ。
もともと中国では、「国進民退」と称して、国家の基幹産業(金融、鉄鋼などの素材産業、インフラ関連、運輸など)分野については、資金調達や各種政策において国有企業は優遇されている。特に胡錦濤国家主席時代にはリーマン・ショックなども挟んで、経済の立て直しから安定成長に向けた国有企業体制の堅持が謳われた。この期間、国有企業の存在感が高まり、経済の牽引役となっていた。特に10%を超える経済成長を謳歌していた時期(2000年代初め)は巨大な国有企業がその規模を拡大させ、民間企業の存在感は相対的に低下していた。しかし、2010年代半ばから混合所有体制(民間資本の拡大を促すべく国有企業改革を推進)への方向転換が模索され、民間企業の育成にも注力されるようになった。
ただ、こうした官から民への動きが、最近、再び逆転するのではないかと懸念されはじめている。民間企業はほとんどの場合…
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