[マールインタビュー]
2012年1月号 207号
(2011/12/15)
M&Aで事業構造を変え、真のグローバル企業に
--どうして米国の同業の会社を買収されたのですか。
「半導体試験装置(テスタ)は、大きく分けてパソコン用などのメモリ向けとデジタル家電向けなどのSoC(システムオンチップ。システムLSI)向けの2つの分野があります。アドバンテストはメモリ・テスタに強く、世界シェアは約70%ですが、SoCテスタのマーケットシェアは2割弱しかありませんでした。90年代は、両者のマーケットサイズの比率が1対1から1対1.5でメモリ・テスタの市場規模は大きく、我々は業界1位でした。その後、メモリ・テスタ市場は伸び率が鈍ったので今ではSoCテスタ市場の3分の1から4分の1になっています。メモリのチップメーカーも世界で大手4~5社に絞られてきています。それらの状況が重なり、当社の現在のシェアは2位です。メモリは需要変動が激しく、市場規模が大きくなったり、小さくなったりします。市況が良いときは、きちっと利益が出るのですが、悪いときは、大変厳しい。過去、人員削減などリストラも何度か経験しました。会社の経営を安定化させるためには市場規模が大きく、需要が安定しているSoCテスタのシェアを上げたいというのが我々の念願でした。しかし、独自で一生懸命、研究開発し、いろいろ製品をつくってきたのですが、なかなか伸びない。メモリ・テスタと比べてSoCテスタは米国勢が圧倒的に強い。それで業界3位の米ベリジーを買収することにしたのです。M&Aでメモリ依存体質からSoCとメモリの2本柱へ事業構造を変える。継続的・安定的に成長できる会社にしていくのが狙いです」
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