[M&Aスクランブル]
(2015/05/13)
日経平均は2007年の高値18,300円を抜き一時20,000円を突破した。4月29日付日経新聞によれば、2014年度税収も直近のピークだった 2007年度を上回るとの記事が掲載された。2014年は様々な指標がリーマン前の2007年の数値を上回り、新たなフェーズへ突入した年と位置付けられ そうだが、M&A件数は2006年2775件、2007年2696件でピークとなり、2014年は2285件で2007年のレベルと比較すると約 85%の水準で、金額ベースでは、2006年12兆5042億円、2007年12兆6171億円で、2014年は8兆9109億円で、約70%のレベルで ある。
M&A実務の現場感覚からすると、In-Out案件の裾野も拡大し買手の買収意欲は旺盛、事業承継ニーズによる潜在的な 売手も多数存在し、M&A件数や金額で、少なくともリーマンショック前と同等のレベルに達していてもおかしくないのだが、現場感覚とデータに齟齬 が生じているようだ。なぜ、だろうか。ここでは、2007年のM&Aデータの内訳と2014年のデータを比較し、その“違和感"の原因を考察して みる。
【グラフ①】市場別のM&A件数推移
グラフ①が示すように、In-In案件件数は2007年の水準まで回復しておらず、2014年の件数は2007年からマイナス462件、In-Outがプラス190件、Out-Inがマイナス139件減少、合計でマイナス411件となる。
【表①】M&A市場別の件数比較
In-In市場の差異を細かくみて、案件規模別に比較すると下表②の結果となる。
【表②】In-In案件の金額規模別比較
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