丸紅では自社の機能・ネットワークを活用した投資先企業の経営支援、
企業価値創造に取り組んでおり、PE事業においても実績・経験を積み上げてきた。こうしたなか、丸紅がまだ対応できていない投資領域や顧客ニーズに対応することを目的に、2023年4月に企業投資部を設立。「PE事業の知見×総合商社」の考え方に基づく国内投資事業を開始している。取り組みの内容や特徴を聞いた。
前身組織を含めると約27年の歴史
―― 2023年4月に企業投資部を設立した目的・趣旨を教えて下さい。
宇佐美 「新設された企業投資部は、実は前身の組織を含めると約27年の歴史があります。丸紅は、PE(プライベート・エクイティ)事業が日本で始まった黎明期からPE業界に関与しており、長年培ったノウハウや総合商社としての広範なネットワーク、産業知見を活用し、企業投資とその後の経営支援を行ってきました。これをM&Aの枠組みで展開し、企業が抱える経営課題や社会課題の解決を目指すことが部署設立の主な目的です。
企業が直面する経営課題は多岐にわたります。例えば、
■宇佐美 敬(うさみ・けい)
東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。1999年丸紅入社。2000年のアイ・シグマ・キャピタル設立、VC事業立上げに関与。2008年の同社PE事業立上げ、2004~2006年のアドバンテッジパートナーズ出向を始め、国内でのM&A業務に長年従事。他に、丸紅 経営企画部、秘書部、米国リース子会社で経営補佐業務を経験。2023年より現職。
■奥原 聡一朗(おくはら・そういちろう)
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2002年丸紅入社。以来、ファッションアパレル等の営業本部や経営企画部を含むコーポレートスタッフ部門に従事し、米国駐在も2度経験。2020年より丸紅の国内事業を推進する業務に取り組み、2024年より現職。
■田村 留美子(たむら・るみこ)
慶應義塾大学環境情報学部卒業。2006年丸紅入社。光ファイバー・データセンターの営業、営業経理、社内システムの構築など、複数部署を経験。丸紅従業員組合委員長を経て2021年からPE事業課の課長を務め、2024年より現職。