[企業変革手段としてのM&Aの新潮流 Season4]

2025年4月号 366号

(2025/03/11)

第1回 生成AIによるSIerビジネスの変化とM&A・アライアンス戦略

塩見 謙介(デロイト トーマツ コンサルティング シニアマネジャー)
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1. はじめに

 生成AIの急速な普及、地政学リスクの高まり、そして産業構造の急速な変化。こうした地殻変動ともいうべきマクロトレンドは、企業経営に未曽有のインパクトを与え、既存のビジネスモデルの変革を迫っている。企業変革の要であるM&Aにも、新たな戦略が求められる。

 本連載「企業変革手段としてのM&Aの新潮流 Season4」では、こうしたマクロトレンドがM&A戦略に及ぼす影響を読み解き、これからの時代に求められるM&Aの役割を考察する。

 第1回では、生成AIの登場により激震に見舞われるシステムインテグレーション(SIer)ビジネスに焦点を当てる。生成AIの急速な進化は、あらゆる産業に破壊的イノベーションをもたらしており、SIerビジネスも例外ではない。特に米国では、IBM等の大手ITベンダー・コンサルが生成AIを積極的にSI領域に活用し、売上に対して一定の比率を占めている。この流れは今後、日本を含むグローバル市場全体に波及していくことは間違いなく、既存のSIerビジネスモデルは抜本的な変革を迫られている。本稿では、生成AIがSIerビジネスに及ぼす影響・競争ルールの変化という観点から分析し、SIerの勝ち残りに向けた戦略を考察する。さらに、これらの戦略を実現するためのM&A戦略についても言及し、生成AI時代におけるSIerの未来像を探る。



■筆者プロフィール■

塩見 謙介

塩見 謙介(しおみ・けんすけ)
デロイト トーマツ コンサルティング シニアマネジャー
大手製造業 経営企画を経て現職。通信/IT・製造業・エネルギー・商社における事業戦略、グローバル戦略、M&A戦略、組織・人事戦略の立案から変革・定着まで、多くのプロジェクトを手掛けている。昨今はデロイトにおける生成AI活用のコンサルティング業務変革を推進し、クライアントでの生成AIを活用した業務変革を支援している。

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