ボラリス・グループ(本社=カナダ・トロント)は、カナダの総合ソフトウェア会社
コンステレーション・ソフトウェア(CSI)の一部門にあたる企業だ。CSIは1995年に創業者であるマーク・レオナルド氏によって設立された。CSIは現在トロント証券取引所に上場しており、時価総額は725億米ドル(2月28日現在)まで成長している。
CSIグループの主な事業は、「VMS(Vertical Market Software)」と呼ばれる業界特化のソフトウェア企業の買収だ。全世界150カ国以上で買収活動を行っていて、これまでに合計800社以上を傘下に収めている。買収後は「永久に投資し保持し続ける(Never Sell, Forever Invested)」という戦略を取っているのが特徴だ。
CSI全体の従業員数は現在5万人を超えており、その下に6つのオペレーティングユニット(投資ビークル)がある。ボラリス・グループはそのうちの1つで、6つのユニットの中でも最大規模(年間売上高25億米ドル、従業員約1万人以上)を誇る。
このほどボラリス・グループは日本に進出し、日本企業の買収に取り組む方針を示している。ボラリス・グループのM&A統括責任者を務めるブラン・クリストフ氏に日本での事業運営の計画を聞いた。
ボラリス単体でこれまで200社以上を買収
―― ボラリス・グループとはどういった企業ですか。
「ボラリス・グループはコンステレーションソフトウェア傘下の6つのオペレーショングループのうちの一つの投資ビークルであり、ミッションクリティカルおよび業界特化のソフトウェア企業を買収し、その成長を支援しています。プライベートエクイティ(PE)ファンドとは違い、自己資金でソフトウェア会社に特化した買収を行っています」
■Blanc Christophe(ブラン・クリストフ)
インスティチュート・ナショナル・デ・スィアンス・アプリーケ・ド・リヨンにて工学修士、HEC ParisでMBAを修了。Yole Développementにて、コーポレート・ファイナンス・アドバイザリー マネージャー、AlstomにてM&Aディレクター、その後、欧州委員会にてイノベーションエキスパートを約11年務める。現在は、ボラリス・グループのヴァイスプレジデント。Head of M&Aとして全社のM&A案件の推進に従事。