東証グロースに上場するAnyMind Group(エニーマインド・グループ)は、法人向けマーケティング・EC支援やメディア・クリエイター収益化支援事業をグローバル展開する企業で、M&Aを重要な成長戦略と位置付けている。これまでに10件のM&Aを実施した。特に東南アジアや日本において、優れた経営者やチームを持つ企業を対象とした
アクハイヤー型(人材獲得目的)のM&Aを重視している。今後はM&Aの実施ペースを年3~4件に増やすことを目指しており、100億円規模の大型案件も選択肢に入れる。CFOの大川敬三氏に同社のM&A戦略を聞いた。
グローバルに事業をロールアップするモデル
―― AnyMind Groupとはどのような事業を行う企業ですか。
「法人顧客へのマーケティング・Eコマース(EC)支援、およびウェブメディアやクリエイターの収益化支援が主要なビジネスです。売上の6〜7割を占めるのは、ブランド企業向けのマーケティングおよびEC支援事業です。EC運営からマーケティングまでのプロセス全体を一気通貫で支援しています。加えて、パブリッシャーと呼ばれるウェブメディアやモバイルアプリ運営者、そしてユーチューバーなどの個人クリエイターに対しても、収益化や事業拡大をサポートしています。この辺りが大きな事業領域になっています。
M&Aでいま注力しているのは法人向けのECの領域になります。マーケティングの領域も多くの話をいただく領域です。主に東南アジアと日本で事業として伸ばしているECの領域とマーケティングの領域でM&Aを検討することが多いです」
―― これまでにM&Aを多数実施していますが、対象企業の特徴について教えてください。
■大川 敬三(おおかわ・けいぞう)
資金調達やM&A、株式上場に向けた準備などをはじめとする財務戦略を統括し、コーポレートガバナンスの強化を担う。デロイトトーマツコンサルティングを経て、前職の三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資銀行本部にて、ヴァイス・プレジデントとして従事。テクノロジー領域におけるM&Aや資金調達業務を数多く担当。