[M&Aスクランブル]
(2017/01/18)
2016年が終わった。振り返れば年初から株安、円高が始まり、1月29日には日銀がマイナス金利導入を決定したものの株価低迷、円高が継続。企業業績には下振れ懸念が高まった。
英国では6月の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱派が勝利し、米国では11月の大統領選でトランプ氏が勝利。僅差にはなっても「まさかそうはならないだろう」と言われていたことが現実になっている。
また、ここでは具体例には触れないが、日本の安全保障面でも様々な変化が生じているのは周知の通りである。
米国スタンフォ-ド大学の教授等が研究及び開発した「経済政策不確実性指数」は、直近では過去最高の「不確実性」を記録しているという。
こうした中でも2016年のM&A件数は2652件、前年比9.2%の増加となり、2011年の1687件を底に5年連続で増加。金額も16兆6133億円となり1999年の18兆0984億円に次ぐ水準となった。
マーケット別ではIN-INが1816件で2012年以降5年連続で増加。
IN-OUTは635件で2015年の過去最多を更新し、金額も10兆4011億円と過去最大の15年11兆2100億円に次ぐ水準となった。
OUT-INは件数では201件、前年比2.4%減となったものの、金額は2兆5587億円となり前年比2.5倍の大幅増加となった。
M&A市場が活況を呈しているのは多くの要因が複合的に結びついているからだ。国内成長鈍化に伴う業界再編機運の継続、経営資源の選択と集中、コア事業に関連する事業領域の拡大、国内外の営業エリアの拡大、IoTやAI等に係わる技術開発力の内製化、将来の開花を期待してのベンチャー投資、(売り手企業からみた)投資ファンドへの支援に対する期待の増大、事業承継目的等々。どれをみても一過性ではなく構造的な要因と言っていいものと思われる。
2016年のM&Aで印象的だったことの一つは…
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