[M&A用語]

クラウン・ジュエル

英語 :Crown Jewel

M&Aの文脈におけるクラウン・ジュエルとは、「敵対的買収(同意なき買収)がなされた場合に会社の重要な資産(事業)を取得する権利」を第三者に付与することをいう。敵対的買収の効果を減殺することを目的とする戦術であり、資産ロックアップ(Asset Lock-up)又はクラウン・ジュエル・ロックアップ(Crown Jewel Lock-up)ともいう。

敵対的買収に対する予防的な買収防衛策とする場合は、米国でも否定的な見解が強い(参考文献(1)参照)。

これとは別に、友好的な買主が、対象会社と資産ロックアップを合意した場合は、取引保護(Deal Protection)の効果を持ち、潜在的買収者の介入を防ぐ役割を果たす。この場合も強力な手段となるため、裁判所は認めない傾向が強い(有名な訴訟としてレブロン訴訟がある。参考文献(2)参照)。

参考文献
(1) 西村あさひ法律事務所編 『M&A法大全(下)〔全訂版〕』 628-629頁 (商事法務, 2019)
(2) ブルース ワッサースタイン(著), 山岡洋一(訳) 『ビッグディール(下)』 213-216頁 (日経BP, 1999)

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更新日:2025年05月07日

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