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[ニューノーマル時代の日本企業M&Aの指針]

2021年4月号 318号

(2021/03/15)

第4回 M&Aの成功確率を上げるカルチャー施策

横田 真育(マーサードイツ マルチナショナルクライアントセグメント セントラルヨーロッパ ジャパンデスク代表)
はじめに

 日本企業のM&Aが活発化してから、カルチャーに関する論考や記事を以前より多く見かけるようになった。M&A実務家としては、カルチャーへの注目が多くなったのを非常に嬉しく思う反面、「やっと」というのが本音である。ただし、こればかりは仕方ないのであろう。日本企業で多くM&Aを経験した方々の経験や知識が蓄積された結果、カルチャーが無視できない要素として認識されつつあるのだと思う。以前は、バリュエーションに直接影響しないカルチャーなどの間接的要素は、デュー・ディリジェンスの段階で優先順位が低く位置づけられ、買収契約締結または買収完了後も、ハード面(制度やシステム)の統合やクロスセルなどの短期シナジーが最優先とされ、カルチャーはPMIの対応事項としてさほど重要視されていなかったものである。しかし、日本企業がM&Aの知見を多く蓄積してきたのに伴い、過去の案件での苦い経験からカルチャーに関する意識が高まっているように感じる。

 弊社も2018年にM&Aにおけるカルチャーの影響について、グローバルでの調査を実施している。同調査は1438件のM&Aアドバイザー、実務家、人事部門担当者、経営陣を含む実際のM&Aを肌で経験した方々のインプットを基にしている。筆者も日本担当として多くの日本企業の皆様にご協力いただいた。同調査では、カルチャーの問題が原因で約67%の参加者がシナジーの遅れを経験し、約30%の回答者が財務目標の達成に失敗したと回答している。(図1参照)

 また、筆者がクライアントからヒアリングする中でも、シナジー分科会での協働が上手くいかない、また働き方の違いや仕事の進め方の認識が全く異なっており、一体となって仕事をすることが難しいなどの声と通じる結果であると感じる。そのため、買収目的の達成にカルチャーが重要な要素として認識されてきているのは間違いないのだろう。では、カルチャーとはどのように捉えれば良いのか。本稿では、実務家の観点から具体的かつ分かりやすく、カルチャーについて紐解いていきたい。


M&Aにおけるカルチャーとは

 まずは、抽象的になりがちなカルチャーについて定義したい。

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