[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2021年12月号 326号

(2021/11/10)

【AOI TYO Holdings】カーライルと組んでMBO、再上場へ向けた成長戦略を中江康人CEOが語る

―― 広告クリエイティブ制作のトップ企業が目指す新たな企業集団とは

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中江康人AOI TYO Holdings 代表取締役グループCEO(左)と小倉淳平 カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージングディレクター

中江康人AOI TYO Holdings 代表取締役グループCEO(左)と小倉淳平 カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージングディレクター

株式非公開化による経営改革を決断

 広告コンテンツの戦略立案・企画・制作を行う子会社を傘下に持つ、東証第一部上場のAOI TYO Holdings(アオイティーワイオーホールディングス、以下AOI TYO)の経営陣は、プライベートエクイティ(PE)ファンドのカーライルと組んでMBOを目的としたTOBを実施、カーライルが運営・管理する特別目的会社スタジオ・クルーズがAOI TYOの全株式を取得し、2021年9月上場廃止となった。

 AOI TYOは、テレビCM制作2位のAOI Pro.と同3位のティー・ワイ・オー(現TYO)が2017年1月に経営統合し、共同持ち株会社として設立された。これによってテレビCM制作ではトップシェアに躍り出たAOI TYOだったが、世界的なCOVID-19(新型コロナウイルス感染症、以下、新型コロナ)拡大の影響から2020年12月期の売上高は前期比21.7%減の510億8700万円、営業利益は7億2700万円の赤字となった。これを変化の契機として、従来のテレビCM制作を主軸としたビジネスモデルに加え、デジタルメディアに対応した収益モデル等新たなビジネスモデルの早期確立を目指すうえで、MBOによる株式非公開化を通じて思い切った経営改革を進められる体制を作ることが不可欠と判断した。

 AOI TYOの経営陣とMBOで組んだカーライル・グループ(米国)の2021年9月末時点の運用資産は総額で2930億ドル。日本に特化した円建てのバイアウト・ファンド、「カーライル・ジャパン・パートナーズ」を運用しており、2020年3月には第4号ファンド(カーライル・ジャパン・パートナーズIV)の設立で2580億円の資金調達を完了している。カーライル・ジャパンを2000年に設立以来、21年間でシンプレクス、ウィングアーク1st、ARUHIなど31件の投資を実行している。

 AOI TYOは、カーライルと組んで今後どのような成長戦略を描いているのか、代表取締役グループCEOの中江康人氏とカーライルのマネージングディレクターの小倉淳平氏に聞いた。

<インタビュー>
マーケティング戦略、ブランディング戦略の立案からコミュニケーションサービスまで一気通貫の体制を構築

 中江 康人(AOI TYO Holdings 代表取締役グループCEO)
 小倉 淳平(カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージングディレクター)

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