[Webインタビュー]

(2019/03/26)

【第104回】<レコフM&Aデータベース・ユーザーインタビュー> 第2回 M&Aコーポレート・アドバイザリー

~ 類似案件調査などにフル活用

谷口 友保(代表取締役社長)
森永 良(ヴァイスプレジデント)

  インターネットサービス『レコフM&Aデータベース』ユーザーインタビュー、第2回目は、M&Aコーポレート・アドバイザリー代表取締役の谷口友保様とヴァイスプレジデントの森永良様です。

――  業務内容について教えてください。

谷口 友保 氏

谷口 友保 氏

谷口  「M&Aの仲介をしています。売り手と買い手の会社を見つけて、両社の間に立ってM&Aの一連の流れをサポートし、クロージングまで進めていく、そういう仕事です。特にエリアや案件規模に制約は設けていません。最近は事業承継のお手伝いが多いですが、大企業による一事業部門の売却や子会社の売却といったお話もお受けしています。また、国内だけではなく、海外企業から日本企業への出資や買収のお話もありますし、逆に日本企業が海外企業を買収するというお話の仲介をさせていただいたこともあります。社員数は常勤・非常勤含め10人程度で、異業種からチャレンジしている者もいますが、やはり銀行、証券会社など金融機関出身者が多いですね」

――  M&Aのどの範囲をカバーされていますか。

谷口  「基本的にはオリジネーション、エグゼキューション、バリュエーションなど、最初から最後までです。お相手をお探しするところから両社を交渉のテーブルに乗せ、条件面での細かい調整などを両社の間に立って行っています。デューデリジェンス(DD)自体は手がけていませんが、DDのコーディネートとして当日同席させていただき、事がスムーズに運ぶように細かいフォローをしてクロージングに至るまでをサポートしています」

――  ソーシングはどうされていますか。

谷口  「電話や手紙で直接アプローチする、いわゆるテレアポ営業をやっていますが、ほかにご紹介を受けたり、インターネットからの問い合わせを受けたりしてできた案件もありまして、一つのやり方にとらわれずにやっています。今後はセミナーも活用しながら少しずつソーシングのやり方を増やしていこうと考えています」

――  「レコフM&Aデータベース」導入の決め手は何ですか。

森永  「4年ほど前に導入しました。それまではこういうデータベースがあることを知りませんでした。決め手は、案件の検索機能があり、とても便利だということです。それまでは、お客様訪問の準備に際し、訪問先企業が属する業界の過去のM&Aを調べる手段として毎月紙媒体で届くM&A専門誌『マール』の『データ編』を活用していました。例えば、売却側のIT企業を訪問する場合、最近のIT業界の事例だとか、IT業界のなかでも受託開発を積極的にやっている会社、WEBの広告をやっている会社など、細かく過去の事例を調べていって該当箇所に付箋を貼り、場合によっては紙媒体から転記して作成した一覧表をお客様のところに持って行っていました。『レコフM&Aデータベース』を導入して以降は、検索機能があるため該当事例の抽出も楽で漏れがなく、作業時間が短縮できますので、そこに魅力を感じました」

――  主にどういう使い方をされていますか。

森本 良 氏

森永 良 氏

森永  「類似案件を探すことが多いですね。今申し上げたIT企業の例は、売り手側の企業を訪問する場合の活用例でしたが、売りの案件がでてきた時に、その業種のその規模の会社を買えそうな会社はどこであるか、という買い手を探す時にも活用します。買い手候補である上場企業を訪問する場合は、その企業が過去に行ったM&Aを調べておくという事前準備としても使います。資料を見せた際、『あ、この会社の社長知っているよ』といった風にそこから話が広がることもあります」

――  どのくらいの頻度でお使いですか。

森永  「ほぼ毎日、全社員が使っています」

――  役に立つと感じる点はどんなところですか。

森永  「お客様との関係性を築くうえで役に立っていると思います。例えば、買い手の会社にシステム会社を提案するという状況があるとします。その際、お会いしていきなり『システム会社を買いませんか』と提案するパターンと、例えば、『御社は以前、システム会社さんを2社買収されていらっしゃいますね。同じようなお話があったら検討されますか』と提案するパターンとでは、向こうの受け止め方も違うと思っていますし、仮にその話が進まなくても、このM&Aの会社さんはうちのことをよく調べてきてくれているな、と思っていただけるので、また次のご縁につなげていくことができると思います」

谷口  「ちゃんと勉強して来ている、と思っていただけることが重要ですね。こういったデータは自分たちでは調べようがないです。だからM&Aの過去の事例のデータが全てまとまっていて、それを検索できるところがすごく使い勝手がいいです。特定の会社に行く時に、その会社の過去のM&Aを、それも20年とか長い期間をさかのぼって検索して、予備知識として持っていくことができるので、お会いした担当者や役員の方ですら忘れているような案件も分かった上で行くと、『ああ、色々下調べもして勉強して来てくれているね』ということでお客様からの信頼感も相当高まりますね」

――  「レコフM&Aデータベース」に対するご要望はありますか。

谷口  「譲渡した会社のM&A公表時点での売上高や利益がわかるようになるといいですね。やはり、どれくらいの規模の会社を買収したかを知りたい人はいますから。我々も買い手を探す時に、候補企業が過去にどのくらいの規模のM&A案件をやっているのか、といったことを確認しています」

森永  「例えばグーグル検索であるような、この単語は含むけれど、この単語は含まない、といったマイナス検索(not検索)ができるようになるといいですね。また、検索結果が表示される際、古い順に並んでいますが、私たちはどちらかというと新しい順の方が望ましいので今はその都度クリックして並び替えをしています。どちらかデフォルトで選べるような機能があるといいと思います。それから検索期間についてですが、最初にログインするとデフォルトで1年間の期間設定となっています。私たちは常に少なくとも過去10年ぐらい遡ってみているので、こちらも毎回設定に手間がかかっています」

――  4月の「レコフM&Aデータベース」リニューアルに伴い、not検索ができるようになります。

谷口  「それはよかったです。それから、集計機能を活用していないため、リニューアル後に全体の使い方を含め、改めてレクチャーをお願いします」

――  承知しました。本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

(聞き手  長谷川雄紀)


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