1. はじめに
M&Aデータベース「
レコフM&Aデータベース」の「買収への対応方針(買収防衛策)」(以下、対応方針)データによると、2024年3月25日現在、対応方針を導入している企業は262社となった(図表1)。2004年の集計開始以降、導入社数のピークは08年末時点の569社であったが、その後中止する企業の増加とともに、導入社数は減少し続ける傾向にある。中止社数の累計は464社を数える。
経済産業省は2023年8月31日、「
企業買収における行動指針」を策定した。同指針では、対象会社の取締役会の賛同を得ずに行う買収を「同意なき買収」とし、一定の場合に資金調達などの事業目的を主要な目的とせずに差別的な行使条件・取得条項付の
新株予約権無償割当て等を行うことにより自社に対する買収に対抗する旨を定めた対応の方針を「買収への対応方針」としており、これに基づき、「レコフM&Aデータベース」では、これまでデータの分類等で使用していた名称を「敵対的買収」から「同意なき買収」に、「買収防衛策」から「買収への対応方針」に変更している。