[M&Aスクランブル]

(2025/04/14)

低格付け社債のコベナンツ義務化とM&Aファイナンスへの影響

マール企業価値研究グループ
  • 無料会員
  • A,B,C,EXコース
<ポイント>
〇日証協がBBB格以下の低格付け社債にコベナンツ付与を義務化する指針(ガイドライン)を準備。
〇支配権変更時の償還請求(COC)と非上場化後の報告義務が必須に。
〇低格付け社債市場の創設を目指し、M&Aファイナンス活性化にも期待。
2009年以降の議論の成果物

 日本証券業協会は3月18日、「社債券の適切な引受判断に係るガイドライン」(以下、本ガイドライン)についてのパブリックコメント募集を開始した。本ガイドラインは、昨年7月に同協会が公表した社債市場の活性化に向けたインフラ整備に関するワーキング・グループ報告書の内容をふまえたものであり、低格付け社債へのコベナンツ義務化を主な内容とするものである。2009年に「社債市場の活性化に関する懇談会」が設置されて以降、長年にわたる社債市場活性化への取り組みを反映したものといえる。本稿ではM&Aファイナンスへの影響を念頭に、今回の動きを解説する。

 本ガイドラインは、社債市場の裾野を広げるため、低格付け社債市場(相対的に信用リスクの高い社債市場)の活性化を目指し、対象となる社債にコベナンツの付与を基本的に義務付けるものである。具体的には、本ガイドラインではチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項とレポーティング・コベナンツを「基本的に付与すべきコベナンツ」と位置づける。そして、BBB格(BBB+を含む)以下の社債についてその付与を求めるものとしており、これは証券会社などが守るべき規則(有価証券の引受け等に関する規則第3条)における「適切な引受判断」において考慮すべき事項ともする。

 チェンジ・オブ・コントロール条項とは、


続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事

アクセスランキング