1 はじめに 社外取締役の選任は一般的になり、様々な場面で利益相反を解消するために社外役員を中心とする独立委員会を設置することも珍しいものではなくなっている(注1)。
敵対的買収と防衛策の導入・発動の場面でも普及しているものの、どうも独立委員会は株主総会の承認のあり方などと比べて影が薄い。近時の裁判例でも、一定の考慮を示すものがある一方、独立委員会の判断があるからといって発動時の取締役会の判断がより尊重されるわけでもない(注2)。なぜ、日本の防衛策をめぐって独立委員会あるいは独立・社外役員の機能はさほど重視されていないのだろうか。
2 なぜ独立委員会の影が薄いのか? 2.1 独立委員会は株主の代わりにはなれない こうした影の薄さをもたらす要因の一つとして、