レコフデータは1985年以降のM&Aデータベースを構築しています

キーワード 一覧

[地域金融機関に聞く「M&Aによる地域活性化の現場」]

(2020/01/23)

【第10回】池田泉州銀行 フィナンシャルアドバイザリー部

聞き手:日本政策投資銀行 企業戦略部
                         
 地域金融機関に聞く「M&Aによる地域活性化の現場」。第10回では、池田泉州銀行を訪問し、朴木健吾(ほうのき けんご)フィナンシャルアドバイリー部長、同部の山本博志(やまもと ひろし)M&Aアドバイリー室長、橋本大輔(はしもと だいすけ)上席調査役にお話を伺いました。 

  大阪府を主要な事業基盤とする池田泉州銀行は、大阪府北部を基盤とする旧・池田銀行と大阪府南部を基盤とする旧・泉州銀行が、2009年10月に持株会社方式(株式会社池田泉州ホールディングス)により経営統合し、翌2010年5月に実施された両行の合併により誕生しています。「『幅広いご縁』と『進取の精神』を大切に、お客様のニーズに合ったサービスを提供し、地域の皆様に『愛される』金融グループを目指します」をグループの経営理念に掲げ、地域との共存共栄に向けた金融サービス等を展開しています。
 こうした中、2007年より当時の池田銀行で事業承継・M&Aアドバイザリー業務が収益ビジネスとして立ち上げられ、2014年にM&Aチームとして専担者を配置、2016年にM&A室を設立するなかで、大幅な業務推進体制の強化を図られています。

1.M&A業務の戦略的・組織的位置づけ

  持株会社である株式会社池田泉州ホールディングスおよび池田泉州銀行の第4次中期経営計画では、計画期間(2018年4月~2021年3月)を「将来に向けた体質強化期間」と位置づけ、提案力の更なる強化や地域活性化支援ビジネスの強化、ライフステージに応じた提案とコンサルティングの実践などを通じた「地域への弛まぬ貢献」を果たすとともに、人員配置やICT活用、収益構造などに関する「パラダイムシフト」を推進することを大きな柱として、本業利益の回復・強化を図っていくこととしています。

  事業承継・M&Aアドバイザリー業務については、中期経営計画に基づき強化していく「地域活性化支援ビジネス」のひとつとして位置づけられているほか、「ライフステージに応じた提案とコンサルティングの実践」というテーマにおいても、法人・個人ともに重要な業務とされています。また、「収益構造転換」の観点でも、顧客向けサービスによる非金利収益の強化を実現するための業務に挙げられているなど、同行にとって事業承継・M&Aアドバイザリー業務は、中期経営計画を推進する上での重点テーマのひとつとされています。



 組織面について、池田泉州銀行では、本部内で営業店と連携しながら取引先への営業活動を行う部門として「リレーションユニット」が設けられており、このリレーションユニットの中に、ビジネスマッチングや不動産関連、創業支援等を行うリレーション推進部とフィナンシャルアドバイザリー部が位置づけられています。
 
 朴木部長をヘッドに総勢40名からなるフィナンシャルアドバイザリー部は、全部で6つのラインに分かれており、プライベートバンキング室内の①資産承継チームおよび②事業承継チーム(親族内承継業務および事業承継ファンドの運営)のほか、③医療・介護推進チーム、④法人コンサルティングチーム(ノンリコースローンやシローンおよび私募債のアレンジ等)、⑤M&Aアドバイザリー室、⑥金融仲介強化プロジェクト担当(主にミドルリスク案件への対応)というライン構成となっています。

 M&Aアドバイザリー室は、2014年にM&Aチームとして専担者を3名配置、2016年にM&Aアドバイザリー室を設置し8名体制に、現在はさらに組織を拡大し、山本室長以下合計10名体制となっています。

 「統合前の両行では、2003年頃からリレーションシップバンキングに基づく取り組みの一部としてM&Aにも対応してきましたが、その後、旧・池田銀行にて2007年から法人および個人へのソリューションサービス業務を立ち上げる中で、特定顧客向けの資産承継、事業承継などのプライベートバンキング業務としてM&Aアドバイザリー業務を開始したのが実質的なスタートになります」(朴木部長)

 旧・池田銀行の主力営業地盤である北摂地域は、企業のみならず多くの企業オーナーなどの個人富裕層が住んでいるエリアであり、そうした環境がプライベートバンキング業務やM&Aアドバイザリー業務の推進に繋がっています。

 「最近の金融環境により、融資業務における資金収益が厳しくなる中で、役務などの非金利収益をどうやって強化していくかが大きな課題であり、M&Aアドバイザリー業務についても体制が整備され、徐々に実績が出ている中で行内での期待も年々高まっている状況」(朴木部長)とのことで、様々な規模の相談やエクゼキューション業務に取り組みながら、収益目標の達成に向け日々取り組みが進められています。

2.M&A業務の体制

(1)業務体制

   M&Aアドバイザリー室は、山本室長のほかフロント担当者8名、ミドルバック担当者1名という体制になっており、同行の各地域営業ブロック(①兵庫・阪神、大阪北、②大阪中央、③大阪東・堺、④泉州・泉南)および⑤独立店のエリアを対象に、6名のフロント担当者が2名ずつのペアになり、各ペアで1ブロックまたは2ブロックをカバーしています。残りの2名は外部ネットワーク担当として、地域金融機関、M&A仲介事業者、アドバイザリーファームの他、地域の会計士・税理士とのリレーションを構築しています。

  M&Aアドバイザリーの業務経験については、朴木部長が2003年からソリューション、コンサルティング関連業務に一貫して携わる中でM&Aアドバイザリー業務にも関わってきています(2018年6月まではフィナンシャルアドバイザリー部長とM&Aアドバイザリー室長を兼務)。

  また、2018年6月に就任した山本室長も担当者の時期から継続して5年半のM&A業務経験を有しているほか、10名のチームメンバーのうち、7名がコンサルティングファームや金融法人への出向経験を有しているなど、M&Aアドバイザリー経験や外部機関での業務経験を積んだメンバーによるチーム体制の強化が進められています。

(2)案件状況と営業推進体制
 同行のM&Aアドバイザリーは仲介業務が中心であ…

続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。
ご登録がお済みでない方は、「会員登録」からお申込みください。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。その他の方は会員登録して下さい。

[無料・有料会員を選択]

会員登録

バックナンバー

おすすめ記事

第154回 新型コロナウイルス感染症への税務対応と企業実務

M&A戦略・実務

[M&A戦略と会計・税務・財務]

NEW 第154回 新型コロナウイルス感染症への税務対応と企業実務

荒井 優美子(PwC税理士法人 タックス・ディレクター)

M&A専門誌 マール最新号

アクセスランキング

M&A専門誌マール

M&A専門誌マール

「MARR(マール)」は、日本で唯一のM&A専門誌で、「記事編」と「統計とデータ編」で構成されています。

レコフM&Aデータベース

レコフM&Aデータベース

「レコフM&Aデータベース」は、日本企業のM&Aなどどこよりも網羅的に、即日性をもって構築している日本で最も信頼性の高いデータベースです。

セミナー

セミナー

マールの誌面にご登場いただいた実務家、研究者などM&Aの専門家を講師としてお招きし、成功に導くポイント、M&Aの全体プロセスと意思決定手続き、実証研究から見た分析などについてご講演いただきます。

SPEEDA RECOF

SPEEDA RECOF

「SPEEDA RECOF」とは「レコフM&Aデータベース」と株式会社ユーザベースが開発・運営する企業・業界情報プラットフォームである「SPEEDA」がシステム連携します。

NIKKEI TELECOM日経テレコン 日経バリューサーチ

日経テレコン

2002年7月に、日本経済新聞デジタルメディアが運営する日経テレコンの「レコフM&A情報」を通じてM&Aデータの提供を開始しました。

M&Aに関するお問い合わせ、ご相談は
こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせフォーム