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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2018/10/03)

ベトナムの酪農業界

谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

  先月8月、ベトナム乳業最大手のVINAMILKが、南部カントー市に約190億円を投資してハイテク農場を開発することがわかった。VINAMILKは、6000haの土地に最大2.2万頭の乳牛を飼育できる大規模な酪農場と加工工場を設置し、カントー市の既存の流通システムを利用して、製造から配送までに至るサプライチェーンを構築するという。

  ベトナム政府は、2001年に農村部の所得改善、国民の栄養改善などを目的とした10カ年計画「酪農振興計画」を実施し、乳用牛飼養頭数および生乳生産量を増加させてきた。ただ、ベトナムの酪農産業の規模は日本と比較するとまだ小さい。ベトナム国内のスーパーの陳列棚に乳製品が多く占められていることを見るとこの数字は意外だが、ベトナムは牛乳・乳製品の約8割を輸入原料に依存しているのが実態である。そのため、2007年の米国のバイオエタノール政策を引き金とした国際的な飼料価格の高騰や、2008年の中国産乳製品のメラミン検出などは国内の市場を震撼させた。これらの背景もあり農業・農村開発省は2008年、「2020年に向けた畜産開発戦略」を策定し、酪農関係については、輸入原料に依存しない体制を構築するとともに、国産生乳の増産を推進することとなった。具体的な数値目標として、2020年までに乳用牛飼養頭数を50万頭、生乳生産量を100万t/年とした。その後、飼養頭数は回復基調に戻り、2015年は過去最高となる27.5万頭(同21.0%増)、生乳生産量は72万3100t/年(同31.6%増)となった。

  酪農は、ホーチミン市を中心にした南東地域が盛んであり、2014年の乳用牛飼養頭数に占める割合は5割弱である。飼養頭数は特に北中部・中部沿岸地域のゲアン省などの増加率は高く、ここ3年間で2倍となっている。ゲアン省については、TH Milkが2009年に牛乳・乳製品市場に参入して大規模牧場を設置し、現在も規模拡大をおこなっている。他にも冒頭に述べたVINAMILKなどが各地域において大規模牧場の開発を進めており、地方の飼養頭数が大幅に拡大してきている。大手乳業会社は、更なる増頭計画や直営牧場設置計画を有しているため、今後もこの層が飼養する乳用牛の割合は増加すると考えられる。



株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。

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