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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2016/05/18)

ベトナムのeコマース業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

 中国のAlibaba Groupは4月12日、ドイツのRocket Internetが設立した東南アジアのeコマース企業Lazadaの経営権を取得した。買収額はAlibabaにとって過去最高となる10億USD。5億USDでLazadaの新株を取得し、残りの5億USDでRocket Internetやイギリスのスーパーマーケット大手Tesco、スウェーデンの投資会社AB Kinnevikなどの既存株主から保有株を買い取るという。

 2012年にローンチされた「東南アジア版アマゾン」Lazadaは、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンの6か国で事業を展開している。同社はこれまでに7億ドル(約756億円)を調達しており、2014年11月にはシンガポールの政府系ファンドであるTemasek Holdingsが主導したラウンドで2.5億USDを調達している。

 東南アジアのeコマースはまだ歴史が浅いが、地域の人口は5.6億人と巨大なマーケットである。ベトナムはインドネシア、フィリピンに続き、東南アジアで3番目に人口が多い国だが、インターネット普及率は1位であり、2015年時点のネット普及率は総人口9,070万人のうち約44%と東南アジア全体の平均40%を上回っている。

 また、ベトナムの電子取引庁「VECITA」(Vietnam E-commerce and Information Technology Agency)が発表したベトナムのeコマース市場に関するレポートによると、ベトナム国内のBtoC取引の総額は、2012年の7億USDに対し、2014年は約30億USD。2015年は40億USDに達する見込みで、さらに2019年には75億ドルに上ると予測されている。

 代表的なEコマースサービスは、LazadaやZaloraといった外資企業と、2011年にベトナム最大のIT企業であるFPT Corporationが設立したSendoなど国内のEコマースサイトに大別される。2014年に市場でもっとも大きなシェアを占めたのはLazadaで全体の21%、続いてSendoが10%と2位だった。

 Lazadaは、近年東南アジア全体で増えている個人間の取引(CtoC)にも着目し、同じ出資元であるRocket Internetが運営するCtoCのLamidoを2015年3月に吸収し、CtoC市場におけるシェアを75%にまで拡大している。

 東南アジアの5.6億人のマーケットにおいて、小売り販売事業全体のうちオンライン販売はわずか3%にとどまることから、今後インターネットがいっそう浸透するにつれ、ベトナムに限らず東南アジア全体でのeコマース業界の膨大な成長機会が期待される。


株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


 

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