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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2017/12/20)

ベトナムのコーヒー市場

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

  2017年12月、農業農村開発省は、コーヒーの価値向上とコーヒー栽培農家の収入増加に向けたベトナム産コーヒーの約6年間の品質向上計画を承認した。コーヒー農園の整備と乾燥処理施設、保存倉庫、加工施設建設が進むことになる。投資総額は1700億VND(約8億4000万円)で、国家予算から1100億VND(約5億5000万円)を拠出し、残りは企業や銀行から調達する。2020年までにコーヒー栽培農家の収入を2013~2014年収穫期の平均収入から+5%、2023年までに+7%引き上げることを目標としている。

  ベトナムはブラジルに次いで世界第2位のコーヒー輸出国であり、2014年は、全世界の輸出量の14%を占めた。輸出先としては、ドイツとアメリカがコーヒー総輸出額の15.4%と13.2%、そしてイタリア、スペイン、日本が続いている。

  海外企業では、Nestleが約8,000万ドルを投資してカフェインレスコーヒーの製造プラントを、ドイツのNeumann Kaffeeがドンナイ省に1時間あたり約26tのコーヒーを加工できる加工工場を、イタリアの MASSIMO ZANETTI BEVERAGE GROUPがビンズオン省に年間加工量3,000tの工場を稼働させている、ローカル企業ではintimex groupが、各地方のコーヒー加工工場7カ所を買収するなど精力的に動いている。

  国内の消費に目を向けると、市場規模は2013年のEuromonitorの調査で約3億8,000万ドル、シェアはVINACAFE BHとNestle Vietnamが共に33%、TRUNG NGUYEN COFFEEが18%を占めている。1人当たり年間消費量はASEANの中で5位と目立ってはいないが、この5年で消費量が倍増していることは注目に値する。

  コーヒーチェーンとしては、HIGHLANDS COFFEEとTRUNG NGUYEN COFFEEが大規模に展開しており、他にはThe Coffee House、Phuc Long Coffee & Teaといったローカルブランド勢が市場を席捲している。コーヒーチェーンが過密状態気味な都市部においてローカルブランドが手頃価格で外資チェーンに似たサービスを提供していることもあり、外資では2013年にスターバックスが進出して現在までに24店舗を展開しているが、シンガポールのNYDCやオーストラリアのGLORIA JEAN'S COFFEEが撤退するなど、競争力を見せられていない。

  まだ日本ブランドの参入は見られないが、今後、日本のコンビニエンスストアの展開がそのきっかけとなる可能性が高いと予想される。




株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


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