[M&A戦略と会計・税務・財務]

2025年6月号 368号

(2025/05/13)

第213回 令和7年度税制改正と企業価値評価への影響

荒井 優美子(PwC税理士法人 タックス・ディレクター)
  • A,B,C,EXコース
1. はじめに

 2025年3月31日、令和7年度税制改正関連の法律案が可決・成立し、同日に関連する政省令とともに公布された。2024年11月22日に閣議決定された総合経済対策(「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」)において、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を確実なものとする3つの柱のうち、中堅・中小企業への投資促進による地方経済の成長力強化が第1の柱とされ、令和7年度税制改正の主要な政策税制は中小・中堅企業の投資減税措置となっている。

 一方で、国際環境の変化等に対応するため、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置が導入され、企業価値向上に向けた機動的な組織再編実行のための税制の見直しや、新リース会計基準の導入に伴う税制の対応が措置されている。本稿では、令和7年度税制改正のうち、企業価値評価や組織再編に関連する項目について解説する。

2. 防衛特別法人税の創設



■筆者プロフィール■

荒井 優美子荒井 優美子(あらい・ゆみこ)公認会計士/税理士
コンサルティング会社、監査法人勤務後、米国留学を経てクーパース&ライブランド(現PwC税理士法人)に入所し現在に至る。クロスボーダーの投資案件、組織再編等の分野で税務コンサルティングに従事。2011年よりノレッジセンター業務を行う。日本公認会計士協会 租税調査会(出版部会)、法人税部会委員。一橋大学法学部卒業、コロンビア大学国際公共政策大学院卒業(MIA)、ニューヨーク大学ロースクール卒業(LLM)。

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