[藤原裕之の金融・経済レポート]

(2016/11/09)

苦境に立たされる百貨店業界 ~顧客ロイヤルティを取り戻せるか

 藤原 裕之((一社)日本リサーチ総合研究所 主任研究員)
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相次ぐ郊外店の閉店

 今年に入り、百貨店業界では郊外店を中心に閉店が相次いでいる。三越伊勢丹ホールディングスは来年3月に三越千葉店と三越多摩店の閉鎖を決定し、セブン&アイホールディングスも来年2月に西武つくば店と西武八尾店の閉鎖を決めた。この1年で公表された閉店店舗は全国で約10店に及ぶ。

 相次ぐ郊外店閉店のきっかけは、これまで郊外店の不振をカバーしてきた伊勢丹新宿や三越銀座店など都心旗艦店の売上げがここにきて悪化してきたことにある。店舗別に売上状況をみると、三越銀座店など都心旗艦店の売上げは昨年中頃から頭打ちが鮮明となり、売上の前年割れ状態が続いている郊外店の不振を支えきれなくなっている(図表1)。

図表1 三越伊勢丹グループの都市店と郊外店の売上伸び率




インバウンド消費の落ち込み

 新聞等でも報道されているとおり、都心旗艦店の売上減少の主因はインバウンド消費の落ち込みにある。訪日外国人の数は…

 

■藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社を経て、2008年10月より一般社団法人 日本リサーチ総合研究所 主任研究員。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。

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