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[Webインタビュー]

(2019/08/15)

【第109回】M&Aによって長期的な価値創造を実現する計画とは?――グローバル実態調査から得られたポイント

吉田あかね(PwC アドバイザリー合同会社 代表執行役)

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Value Creationレポートの狙いと調査方法

―― このほど、『Value Creation――ディールの先の価値創造を見据えて 異なる視点からM&Aの在り方を考察する』というレポートを発表されました。このレポートの狙いについて教えてください。

「企業が、M&Aディールを通じた長期的な価値創造を実現するためには何が必要なのか、という問題意識のもとに、グローバル規模で、幅広い業種・地域の経営幹部合計600人に対するM&Aを通じた価値創造の実体験調査をMergermarketと英国ロンドンのビジネススクールCass Business schoolに委託し、PwCがまとめさせていただいたのがこのレポートです。調査対象者はすべて、過去3年以内に大規模な買収・売却案件を経験しています。

 PwCアドバイザリーでは、この調査レポートのほかに、経済産業省から委託を受け、2019年 4月に日本企業による海外M&A実態調査報告書『海外M&Aと日本企業~M&Aの最前線に立つ国内外の企業の声からひもとく課題克服の可能性~』、7月には日本CFO協会 の協力を得て、18年9月~11月にかけて国内の上場企業を対象に行った調査をもとに、『M&A実態調査2019――クロスボーダーM&Aにおけるシナジーの発現に向けて』を発表しています。

 これらの一連の調査によって、日本企業がグローバルM&Aでやるべきことについては、頭では何となくみなさん分かっておられるし、やったほうがいいとは思っておられるものの、まだ実施されていないという状態が浮き彫りになるとともに、海外の企業でもやはり同様の課題を抱えているということが明らかになっています」

主な調査結果について

―― 今回の調査の分析で明らかになった課題はどのような点でしょうか。

「今回調査対象となった買い手企業のうち92%の企業が直近のディールにおいて価値創造計画を策定していたと回答していますが、実際に価値創造を実現できたと回答した企業は61%にとどまっています。また、そのうち実際に創出できた価値が大きかったという回答は21%にすぎませんでした。さらに、直近ディールの成立後2年間のTSR(株主総利回り)が業界平均を下回った企業の割合は53%に上っています。

 これは売却側の企業の場合も同様で、当該事業の売却を実施しなかった場合に想定される価値と比較して多くの価値を創出できたと回答した企業の割合は42%でした。しかし、売却を実施した企業のうち、直近ディール成立後2年間のTSRが業界ベンチマークを下回った企業の割合は57%に上っています。

 今回の分析で明らかになったことは、調査対象となった経営幹部の多くが、買収・売却いずれのケースにおいても、価値創造を実現するために施策やアプローチの全面的な見直しが求められる場面が増えているということです」

―― なぜこのような結果になったのでしょうか。

「『Day1における実…


■よしだ・あかね
1995年慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。中央監査法人に入所。98年4月公認会計士登録。2005年 10月オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン入社。06年9月あらた監査法人に入所。09年7月PwC アドバイザリーに出向、その後転籍。15年7月プライスウォーターハウスクーパースのパートナーに就任。19年7月PwC アドバイザリー合同会社の代表執行役に就任。

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