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[ポストM&A戦略]

2014年9月号 239号

(2014/08/15)

第69回 ベア・ミニマム(最低ライン)のクロージング(下)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル)

  前回は、カーブアウト案件のクロージングにおいて、円滑にクロージングを迎えることを共通の利益として、売り手と買い手が協調して準備を進めることが多いのに対し、売り手が最低ライン(Bare minimum)の協力しか提供しない場合があること、そして、そうなった場合の潜在的な問題点や背景について解説した。
  今回は、売り手が最低ラインのクロージングを志向するときに、買い手はどのような対応策を取ればよいのかを、論じることとする。ここでのコンセプトは、売り手とのコミュニケーションの徹底や十分な事前チェックといった、問題の「予防」ではない。問題が起きることを前提とした、買い手の「ダメージコントロール」である。

ベア・ミニマム(最低ライン)のクロージングを志向する売り手への対応策

  売り手がベア・ミニマムのクロージングを志向する場合、買い手に生じる具体的な不都合の例をまとめると、以下の通りである。

●   情報開示のタイミングが、通例に比べて大幅に先送りになる
●   転籍対象従業員に適用されている人事プログラムの情報が、売り手の考える主要な範囲しか提供されない。プログラムの存在すら知らされないことも、プログラムの名称は知らされるが内容が全く知らされないこともある
●   転籍対象従業員個人の基本情報、報酬やベネフィットの情報、会社と交わしている個人特約の情報などが、限定的にしか提供されない
●   売り手グローバルHRによる中央コントロールが堅持され、売り手ローカルHRにコンタクトすることが許可されない。このため、売り手グローバルHRの組織能力がよほど高くない限り、買い手に提供される情報の正確性、一貫性、現地実務を踏まえた詳細度、回答速度に大きな問題が生じる
●   転籍対象従業員に提示する書類を、売り手ローカルHRに実務レベルで最終確認してもらえず、提供された情報に基づいた「正しいはずの書類」を、相手の反応を探りながら交付することになる

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