[M&A戦略と法務]
2018年8月号 286号
(2018/07/17)
(ア)合併とは、2以上の学校法⼈が1つの学校法⼈に統合するものである(図1)。合併には、合併によって既存の学校法⼈が消滅し新たな学校法⼈を設⽴する新設合併と、1つの学校法⼈が他の学校法⼈を吸収して存続し他の学校法⼈が消滅する吸収合併がある。合併によって消滅する学校法⼈の権利義務は、新設法⼈⼜は吸収法⼈(存続法⼈)が承継する(私⽴学校法56条)。合併を⾏うためには、理事の3分の2以上の同意(同法52条1項)、評議員会の意⾒聴取(同法42条1項4号)、所轄庁の認可(同法52条2項)、債権者保護⼿続(同法53条2項、54条)、登記(同法57条)が必要となる。
(イ)分離(設置者の変更)とは、学校法⼈が設置する⼀部の学校(私立大学)を他の既存の学校法⼈⼜は新たに設⽴される学校法⼈に譲渡することである(図2)。譲渡する側の学校法⼈においては設置者の変更に伴う寄附⾏為の変更(私⽴学校法42条1項3号)が必要となり、評議員会の意⾒聴取(同法42条1項)や所轄庁の認可(同法45条1項)が必要となる。既存の学校法⼈が譲り受ける場合には同じく設置者変更の⼿続が必要となり、譲り受ける側の学校法⼈を新設する場合は設⽴認可(私学法30条1項、31条)の⼿続が必要となる。学校⾃体は法⼈格をもたず、施設・設備や教職員からなる教育施設にすぎないため、学校法⼈の分離(設置者の変更)の法的性質は、学校(私立大学)の経営に必要な施設等の個々の資産、負債及び契約の特定承継(個別承継)であると解される。
(ウ)理事の交替とは、
*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます
マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。
[【バリュエーション】Q&Aで理解する バリュエーションの本質(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社)]