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(2024/08/19)

第73回 独禁法上のM&A規制・審査の最新動向――クリアランスの相場、困難案件を可能にする諸条件、規制事案からの教訓

2024/9/27(金)15:30-17:00

NERA 東京事務所代表 シニアマネジングディレクター/一橋大学 法学研究科ビジネスロー専攻 非常勤講師 石垣 浩晶氏

受付は終了しました

セミナー概要

1.目的・狙い
日本のM&A市場は今後も盛り上がりが期待されているところですが、特定の規模以上のM&Aには公正取引委員会への届出が必要となります。近年は年間300件前後の届出が行われており、その1割程度の事案に対して公取委は一定程度注意深い企業結合審査を実施しています。

多くの企業は公取委の本格的な企業結合審査の経験がなく、独禁法上の規制を軽く見ている傾向がありますが、公取委の企業結合審査には、欧米のプラクティスへの収斂を意識した規制強化、審査の詳細化、経済分析の積極的導入、デジタル経済への強い関心などの新しい動きもあります。過去の成功体験に依拠した独禁法上の企業結合審査対応を行っていると、想定外の審査の長期化や企業結合計画の修正や禁止を求められるリスクが生じかねません。

そこで、本講座では、企業結合審査対応に関わる教訓について、事例や講演者の経験に即して解説いたします。

具体的には、独禁法上の企業結合規制の概要と動向について説明したのち、一定程度審査が行われたうえでクリアランスが得られている事案に照らして公取委の規制相場(規制のボーダーライン)について解説します。次に、合算市場シェア等の観点から、通常規制されると考えられるような事案でも、特定の事情があったために規制が行われなかった事案について取り上げます。一見規制されるようなM&Aでもクリアランスが得られることがわかれば、ライバルに先駆けて規模の拡大を図ることが可能になります。最後に、近年規制を受けた企業結合事案を取り上げて、公取委の最新の審査手法や考え方、規制相場の変化などについて解説します。

本講座は、企業のM&Aに関わる経営幹部、経営企画や法務等の実務担当者、投資銀行担当者、投資会社・VC、独禁法担当の弁護士の方々を対象に説明いたします。

独禁法上のM&A規制対応の未経験者から独禁法上のM&A規制の最新動向を確認したい経験者・弁護士にまで興味を持ってもらえるようなお話をお伝えできればと思います。

2.主な内容

1. 独禁法上の企業結合規制の概要と最新動向
(ア) 企業結合規制の含意
(イ) 規制の考え方と手続きの流れ(企業結合及び手続ガイドライン)
(ウ) 最新動向(デジタル経済・経済分析・規制強化)

2. 認可される企業結合事案の典型例と相場
(ア) 水平型企業結合
三井化学・旭化成による不織布の統合(令和5年度)
豊田合成による芦森工業の株式取得(令和5年度)
リコー及び東芝テックによる複合機械製造事業等の統合(令和5年度)
MPDによるCCCのフランチャイズチェーンの本部事業の吸収分割(令和5年度)
グローバルウェーハズによるシルトロニックの株式取得(令和3年度)
今治造船及びジャパンマリンユナイテッドによる商船の設計及び販売に関わる共同出資会社の設立等(令和2年度)等
(イ) 垂直型・混合型企業結合
ペガサスによるテネコの株式取得(令和4年度)
日本電産による三菱重工工作機械の株式取得(令和3年度)
ブロードコム・ブロケード(FCSANスイッチ用ASIC・FCSANスイッチ)(平成29年度)等

3. 一見規制リスクが高そうな事案であったが認可された事例の勘所
富士製薬工業による持田製薬の男性不妊治療薬製造販売事業の譲受(令和5年度)
三菱電機及び三菱重工業による発電機事業の統合(令和5年度)
ゼンリン及びアイシンによるトヨタマップマスターの株式取得(令和5年度)
古河電池による三洋電機のニカド電池事業の譲受(令和4年度)
昭和産業によるサンエイ糖化の株式取得(令和3年度)
日本製鉄による東京製綱の株式取得(令和2年度)
ふくおかフィナンシャルグループによる㈱十八銀行の株式取得(離島)(平成30年度)等

4. 近年の規制された事案から得られる審査対応の教訓
(ア) 大韓航空によるアシアナ航空の株式取得(令和5年度)
(イ) 神鋼建材工業㈱による日鉄建材㈱の鋼製防護柵及び防音壁事業の吸収分割(令和3年度)
(ウ) Zホールディングス及びLINEの経営統合(令和2年度)
(エ) TDKによる昭和電工のネオジム磁石合金の研究開発事業の譲受け(令和元年度)等

5. まとめとしてのベストプラクティス

6. 質疑応答

想定される主な受講者

① 事業会社の経営企画・事業企画担当者(M&A担当者)
② 事業会社の法務担当
③ 会社役員(社外取締役・社外監査役含む)
④ 投資銀行担当者
⑤ 投資会社・VC
⑥ 弁護士
※講師と競合する可能性があるエコノミスト・コンサルティングファームの方からのお申し込みはご遠慮いただいております。あらかじめご了承ください。

■参考記事

講演者

石垣 浩晶 氏(NERA 東京事務所代表 シニアマネジングディレクター/一橋大学 法学研究科ビジネスロー専攻 非常勤講師)

立命館大学経済学部助(准)教授、公正取引委員会企業結合課企業結合調査官主査(エコノミスト)等を経て現職。NERAでは、独占禁止法と競争政策関連を中心として訴訟・規制対応に関わる広義の経済分析に基づくコンサルティングサービスを提供している。独禁法上の企業結合規制に関しては20年以上の経験を有し、NERAにおいては国内外の有力会社や著名な法律事務所の依頼を受けて数多くの著名な事案に関与してきた。

開催概要

テーマ独禁法上のM&A規制・審査の最新動向
――クリアランスの相場、困難案件を可能にする諸条件、規制事案からの教訓
開催日時2024年9月27日(金)15時30分~17時00分
参加費
  • 無料会員様
    27,500円(税込)
  • 有料会員様(M&A専門誌「マール」購読者)
    ・A/EXコース
    8,800円(税込)
    ・Bコース
    11,000円(税込)
    ・Cコース
    27,500円(税込)
  • MARR ProまたはレコフM&Aデータベースご契約者様
    8,800円(税込)
  • M&A仲介協会 幹事会員様、正会員様
    8,800円(税込)

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定 員

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