2024年に入っても、大正製薬ホールディングス、スノーピークなどオーナー企業のMBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化が相次いでいる。今後、これらのMBOがどの程度、広がるかどうかが注目される。本稿ではオーナー会社が上場することのメリット・デメリットを改めて整理してみる。
2023年は、
MBOが17件行われ、その買付総額は1兆4000億円を超えた(レコフデータ調べ)。2024年に入っても、多くの企業がMBOの実施を公表している。このMBOの増加背景には、株価や株主対策への配慮が従来よりも重要になっていることがある。これは、東京証券取引所が昨年3月、プライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請したこと。そして、
アクティビストを含む発言力のある株主への対応が増えていることが、上場に伴うコストへの意識を高めたことが大きい。