[藤原裕之の金融・経済レポート]
(2015/12/16)
日本メーカーのアジア即席麺のうまさ
コンビニやスーパーの即席麺売り場でアジア系の商品が増えてきた。日清の「トムヤムクンヌードル」は2014年に発売され、一時的に販売休止になるほどヒットした。定番の醤油味やシーフード味に次ぐレギュラー商品になりつつある。筆者も同商品のトムヤムペーストが生む本格的な酸味と辛さにすっかりはまった一人である。同商品は日清シンガポールによる開発協力を受けて日本市場向けにつくられたものである。
これまで日本の店頭に並ぶアジア系即席麺というと、アジアで売られている商品を直接輸入したものが多かった。日本メーカーによるアジア即席麺が高いクオリティを持つようになったのは、これまでの海外進出で培われた現地の食習慣に対する理解や商品開発力がベースにあると推察される。日本の食品メーカーによる海外の即席麺市場の開拓がそれだけ進んでいる証拠である。そして同時に海外の即席麺市場が量的にも質的にも変化し、魅力的な市場に変わりつつあることを示唆するものでもある。
裾野広がる即席麺のグローバル市場
即席麺のグローバル市場はどう変化してきているのだろうか。日清食品の創業者である安藤百福氏が即席麺を開発したのは1958年である。そこから50年余りで即席麺は世界中で食べられるようになった。世界全体の即席麺の消費量は右肩上がりの上昇を続けており、2012年に1,000億食の大台を超えた(図表1)。
図表1 世界全体の即席麺の消費量
国別にみると・・・
■藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社を経て、2008年10月より一般社団法人 日本リサーチ総合研究所 主任研究員。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。
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