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(2024/12/23)

増える「金融サービス仲介業」金融事業者再編に影響も

マール企業価値研究グループ
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2024年度は10月時点で既に8社が登録

 金融庁への「金融サービス仲介業者」の登録件数が足元、増加している。2021年度から2023年度は登録が8社に留まっていたものの、2024年度は10月時点で既に8社登録しており、登録社数が急ピッチで増えている。

 金融サービス仲介業とは、預金等媒介業務、有価証券等仲介業務、保険媒介業務または貸金業貸付媒介業務のいずれかを業として行うことを指す。業態ごとの縦割りだった既存の業者と異なり、1つの登録で銀行・証券・保険などすべての分野のサービスが仲介可能となり、金融サービスのワンストップ提供に最適化した枠組みと考えられる(図表1)。コンプライアンス態勢整備やシステム投資、そして取り扱い可能なサービスの制限が登録へのハードルとなってきたが、足元は参入企業が拡大している状況だ。本稿では、金融サービス仲介業のこれまでの経緯を確認するとともに、金融サービス仲介業者の活動状況を確認し、金融業界への影響を検討する。

金融サービス仲介業の概要とライセンス取得状況

 情報技術の発展などにより、インターネットを活用した商品横断的な金融サービスの提供の蓋然性が高まる中、2017年11月の金融審議会総会において、「情報技術の進展等の環境変化を踏まえた金融制度のあり方に関する検討」が諮問され、「金融制度スタディ・グループ」および「決済法制および金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」での議論を経て鳴り物入りで2020年に成立したのが、金融サービス仲介業である。「機能別・横断的な金融規制体系」ともうたわれ、制度導入当初は大きな注目を浴びた。

 金融サービス仲介業は、

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