M&A実行のための社内の組織体制構築に試行錯誤している事業会社は多い。そうした中、M&Aを多数実行するGENDAではM&Aに組織的に、スピーディーに取り組む社内体制を構築している。どのような体制と考え方のもとで取り組みが進められているのか、羽原取締役CSO(Chief Strategy Officer)に聞いた。
上場後の組織体制 ―― GENDAがM&A専門部署をいつ、どのような目的で設置したのか教えてください。
「2023年7月の株式上場前は、社内のM&A専門部署はありませんでした。当時は『経営企画部』という名前で、私が部長を務め、スタッフ2名の合計3名体制でした。そこではM&Aや
PMI、予算管理など、事業会社がいわゆる経営企画部や社長室で担う一般的な業務を行っていました。
2023年7月に東証グロース市場に上場したのを機に、今後はより積極的にM&Aを推進すべく組織を再編しました。具体的には、それまで1つだった経営企画部を3つに分割して、そのうちの1つをM&Aを専門に扱う『戦略投資部』としました。ほかの2つは、コーポレートPMIを行う『グループ経営管理部』と、予算管理を専門とする『コントロール部』です。IPOを機に人員も増強して、3部署の機能をM&A専任チーム、コーポレートPMI専任チーム、予算管理専任チームとより明確に分けることで、各領域の専門性を高めることにしました」
―― それぞれの部署にどのようなバックグラウンドやケイパビリティを持つ人材が所属されているのか教えてください。
■羽原 康平(はばら・こうへい)
神戸大学経済学部経済学科卒。大学在学中に公認会計士試験に合格。2016年2月、有限責任あずさ監査法人に入社。2017年4月、PwCアドバイザリー合同会社に入社し、M&Aアドバイザリー業務に従事。2019年9月、株式会社GENDA入社。2021年8月、執行役員、2023年9月、CSO(Chief Strategy Officer)に就任。2023年11月、株式会社GENDA Capitalを設立し、代表取締役社長に就任(兼任)。2024年4月より現職。