自社がスタートアップに対してどれだけフレンドリーか、あるいはスタートアップエコシステムにおいて重要な役割を果たしているか――。その「度合い」を見える化する仕組みとして経団連が大企業に対して「スタートアップフレンドリースコアリング」の仕組みを作り、その活用を呼び掛けている(注)。制度を設計し、現在も普及等に中核的に関与しているのは、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏だ。スタートアップフレンドリースコアリングの取り組みの狙い、スタートアップM&Aに関する考え方を聞いた。(注)経団連は2023年1月、大企業のスタートアッププレンドリーの度合いを見える化するスコアリングを策定した。スコアリングの仕組み・考え方の詳細は下記を参照。 http://www.21ppi.org/theme/data/230609.pdf 各社の具体的な取り組みについては、2022年度スコアリング事例集を参照(2023年1月~2月に実施。約150社が参加)。 スタートアップはM&Aを活用すべき ―― 「スタートアップフレンドリースコアリング」の仕組みを作った狙いや経緯を教えてください。 「スタートアップフレンドリースコアリングの構想は、■入山 章栄(いりやま・あきえ)慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所を経て2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2019年4月より現職。著書に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)、『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP)、『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)ほか。