[【M&A戦略】M&A戦略立案の要点(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)]
(2021/05/12)
市場開拓型M&A戦略
新市場開拓戦略とは、既存の製品を用いて新たな市場を開拓していく戦略である。一般には、新たな地域への進出や新たな顧客層への販路拡大を目指すものである。この類型のM&A戦略には、「エリア拡大戦略」「海外企業買収」「特定顧客獲得買収」「顧客層拡大戦略」がある。
図表1 市場開拓型M&A戦略の類型 出所:木俣貴光『M&A戦略の立案プロセス』(中央経済社、2019)
1.M&A戦略(7) エリア拡大戦略
■ 概要
「エリア拡大戦略」とは、買収によって事業エリアを拡大する戦略をいう。小売業や卸売業、物流業など、地域密着型の販売業や全国規模でのネットワークが競争優位となる業界でよく見られる。地域密着型の小売業においては、全国展開する大手企業への対抗上、PB商品の開発など、規模の経済性が求められることから、地域を超えた統合を志向するケースが多い。
■ エリア拡大戦略における留意点
一般に、同業者の買収によるエリア拡大は、シナジー効果が出やすい。ただし、エリア拡大においては、以下の点に留意することが重要である(※1)。
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■三菱UFJリサーチ&コンサルティング
■筆者略歴
木俣 貴光(きまた・たかみつ)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コーポレートアドバイザリー部
部長 プリンシパル
大手石油会社、外資系コンサルティング会社を経て現職。20年以上にわたり、大企業から中堅中小企業まで、幅広いクライアントに対して、M&Aアドバイザリー、グループ組織再編、事業承継対策といった資本政策のほか、M&A戦略立案、PMI支援、ビジョン策定、企業再生支援など、資本政策に付随する戦略テーマにかかるコンサルティングに従事。主な著書に、「M&A戦略の立案プロセス」(第14回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞)、「企業買収の実務プロセス第2版」、「事業承継スキーム」のほか、実務小説「企業買収」(第6回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞)(いずれも中央経済社)などがある。
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