[Webインタビュー]

(2023/10/04)

【第164回】NECキャピタルのM&A業務、ITとグループ内金融機能に強み~中核子会社のリサ・パートナーズとのシナジー活かす

新井 貴(NECキャピタルソリューション 取締役執行役員常務)
大和 直之(同 コーポレートアドバイザリー部長)
  • A,B,C,EXコース
ECキャピタルソリューション

NECのグループ会社であるNECキャピタルソリューションは2010年、金融ソリューション機能の拡充を目的にリサ・パートナーズを買収し、その後リース系事業者としては珍しく、M&Aアドバイザリーサービスにも力を入れている。近年は実績も伸びている模様だ。同社の取り組みの特徴等を聞いた。(編集部)
事業承継M&Aの比率は4割

―― NECキャピタルソリューションはどのような会社ですか。

大和 「NECのインハウスの金融会社として1970年代に発足しました。NECが当時高価なコンピュータを販売するためには金融サービスを併設することが必要でした。そのため、NEC製品のリース事業を中心に、NECと顧客基盤を共にしながらICT製品の取り扱いに強みを持つリース会社として成長してきました。

 2005年に東証に上場し、その後さらなる成長機会を追求し、ICT製品以外のリースやファイナンス、投融資等、事業の幅を広げてきました。その過程で、NECともさまざまな形で連携を深めています。我々が属するリース業界において、このようなM&Aアドバイザリーを手がける企業はごくわずかとの認識です」

―― M&Aのアドバイザリー業務を始めたのはなぜですか。

大和氏

大和 直之氏

大和 「事業拡大の流れの中で、強みを最大限に活かせる領域としてM&Aのアドバイザリー業務を始めることに決めました。2010年に公開買付け(TOB)により買収したリサ・パートナーズ(RISA)は、投資銀行業務を営んでいたため、当社が本事業を手掛ける大きなきっかけになりました。

 また、事業承継問題が社会的な課題として注目される中、事業が直接社会課題の解決に貢献できると考えました。事業開始当初は当社のプロパー社員を中心に事業を推進していましたが、順次、中途採用を積極的に進め、今では銀行・証券・コンサル会社出身の中途採用者も含め多様なプロフェッショナルで構成されています」

―― M&A成約件数が近年、伸びているようです。

大和 「人員増加が要因です。3~4年前にはわずか5、6人のメンバーでの活動でしたが、中途採用を増やし、現在、チームは13人体制です。事業開始から10年が経過して、ようやく売主・買主ネットワークや、業務ノウハウが組織に根付いてきたこともあります。

 件数は近年年間10件前後で推移してきていたのですが、2023年は9月末現在で15件の関与実績となっています」

―― 最近の成約案件の構成は?

大和 「事業承継問題の解消を中心に組織を形成してきましたが、最近の成約案件の中では旧来的な事業承継は約半分ほどです。カーブアウトが2割、アーリーリタイアが4割、そして後継者不在による事業承継が4割ほどです」

―― 売り手FAの実績が割合的に多いのはなぜですか。

大和 「もともとの事業コンセプトが事業承継に特化していたので、アプローチは基本的に売り手を中心にしてきました。そのような背景から、売手FA中心の構成が続いています。しかし、最近2年ほどの間でポートフォリオは変わりつつあり、少しずつマーケットでの認知度が上がってきたからか、買い手FAとして声がかかるケースも増えてます」

―― M&Aの仲介業務は手掛けず、FA業務のみを行うのはなぜですか?

大和
 「それは利益相反の問題への配慮からです。FAよりも仲介業務が適切な場面もあるのは十分理解しています。しかし、仲介業に伴う利益相反の問題を完全に解消するのは、難しいと考えています。中堅・中小の案件では仲介方式が経済的に効率的であるのは間違いないのですが、M&Aを検討されている経営者にとって、FA業務という選択肢は提供され続けるべきと考えており、これからも当社は現状ポリシーを維持していくつもりです」

―― FAのみで、売り案件の場合は買い手、買い案件の場合は売り手を迅速に見つけてこれるのでしょうか。


■新井 貴(あらい・たかし)
1988年日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。企業投資グループ次長、中国支店次長などを歴任し、2014年にNECキャピタルソリューション入社。2022年4月より現職。リサ・パートナーズ非常勤取締役も兼任。

■大和 直之(やまと・なおゆき)
2012年よりNECキャピタルソリューションにてフィナンシャル・アドバイザリー業務に従事。銀行系M&Aアドバイザリー会社を経て2020年より現職。

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