[Webマール]

(2024/04/22)

続編・GENDAのM&A戦略、銀行借入を最大限活用し、将来にも布石

渡邊 太樹(GENDA 取締役 CFO)
  • A,B,EXコース
渡邊氏

羽原執行役員CSOに続き、GENDAの渡邊太樹取締役CFO(最高財務責任者)に、同社のM&A戦略の特徴や取り組み方針、資金調達に関する戦略について聞いた。
<目次>
  • 「自社の業種はM&A」と定義
  • TAMはエンタメ市場全域
  • ゲームセンター業界のイメージを変える
  • 再現性が高い施策を粛々と導入する
  • 将来は上場企業に対するアプローチも視野
  • 銀行40行と取引関係を持つ理由
  • M&A資金の借入余地はまだ大きい
  • 金融機関の支援にプレミアムを払う
  • 複雑なストラクチャーを活用したM&Aも視野に

「自社の業種はM&A」と定義

―― 最近、自社を「業種がM&Aである会社」と定義しました。意図を教えて下さい。

「世界一のエンターテイメント企業を目指す際に、M&Aという手段が必須になるということです。GENDAは世界一のエンターテイメント企業になることをビジョンとして掲げており、その実現のためにM&Aを重要な戦略と考えています。会長の片岡(尚)の前職イオングループのイオンファンタジーでの経験及び、社長の申(真衣)の前職ゴールドマン・サックス証券での経験を融合し、M&Aを効率的に行える体制を構築することを目的にGENDAを設立しました。エンターテイメント企業としてM&Aを積極的に行い、IPO前には11件、IPO後には16件のM&A及び資本取引を実施しています。

 日本では、上場企業がM&Aを積極的に行う例はまだ少なく、敢えて挙げれば、SHIFTやジャパンエレベーターサービスホールディングス、ヨシムラ・フード・ホールディングスなど限られた企業しかありません。しかし、北欧やヨーロッパ、米国では、M&Aを繰り返し行う企業が『シリアルアクワイアラー(Serial Acquiror)』としてよく知られ、その成長が特定の業界の成長とは異なるM&Aによる成長を株主に還元していると認識されています。

 GENDAがIPOをした時期は、



■渡邊 太樹(わたなべ・たいじゅ)
一橋大学商学部経営学科卒。2011年4月、みずほコーポレート銀行(現・みずほ銀行)入行。本店営業部にて、事業法人のリレーションシップ・マネージャーを担当。2015年4月、ゴールドマン・サックス証券入社。投資銀行部門アドバイザリー・グループのヴァイス・プレジデントとして、主にクロスボーダーM&Aの助言業務及び株式・債券による資金調達関連業務に従事。2021年6月、GENDA入社。2021年8月より執行役員CFO。2023年4月より現職。

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、EXコース会員限定です

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事