[M&Aフォーラム賞]

2014年11月号 241号

(2014/10/15)

第8回 M&Aフォーラム賞が決定――M&Aフォーラム賞『RECOF賞』などに4作品が受賞

左から福田宗孝氏(奨励賞、ソーラーフロンティア 監査室室長)、梅谷眞人氏(同、富士ゼロックス 知的財産部渉外グループ長)、飯田秀聡氏(同、神戸大学 大学院法学研究科 准教授)、落合誠一会長(中央大学法科大学院 教授)、岩田一政選考委員長(日本経済研究センター 理事長)、芦澤美智子氏(正賞、横浜市立大学 国際総合科学部 准教授)、寺前慎太郎氏(特別賞、同志社大学 大学院法学研究科私法学専攻 博士後期課程3年)

【受賞作品】

◆M&Aフォーラム賞正賞 『RECOF賞』
『スポンサー企業のケイパビリティと企業再生M&Aの成果』【論文】
芦澤美智子(横浜市立大学 国際総合科学部 准教授)

◆M&Aフォーラム賞奨励賞『RECOF奨励賞』2篇 (順不同)
『株式買取請求権の構造と買取価格算定の考慮要素』(商事法務刊)
飯田秀総(神戸大学 大学院法学研究科 准教授)
『ジョイント・ベンチャー戦略大全 設計・交渉・法務のすべて』(東洋経済新報社刊)
宍戸善一(一橋大学 大学院国際企業戦略科 教授)
福田宗孝(ソーラーフロンティア株式会社 監査室室長)
梅谷眞人(富士ゼロックス株式会社 知的財産部渉外グループ長)

◆M&Aフォーラム賞選考委員会特別賞『RECOF特別賞』
『支配株主による締出しの場面における特別委員会のあり方』【論文】
寺前慎太郎(同志社大学 大学院法学研究科私法学専攻 博士後期課程3年)

12作品が応募

  M&Aフォーラム賞選考委員会は、2013年度(平成25年度)「第8回M&Aフォーラム賞」に4作品を選定し、9月29日表彰式が行われた。

「M&Aフォーラム」は、05年10月の内閣府経済社会総合研究所の「M&A研究会」による報告において民と官との連携ができる民間ベースのフォーラムが提唱されたことを受けて05年12月に設立された。理論的、実証的及び実務的な視点から、進歩、変化するM&A事情の研究・調査を行い、今後のわが国におけるM&Aのあり方について提言を行うとともに、主に企業人を対象にした「M&A人材育成塾」の運営等の活動を通じて、M&Aの普及・啓発、人材や市場の育成に資することを目的としており、さまざまな関係分野の有識者、実務専門家、企業関係者が参加する場となっている。

「M&Aフォーラム賞」は、2000年度に「M&Aに関する社会科学的観点からの研究論文の執筆で顕著な業績をあげた学生・院生を顕彰する懸賞論文制度」としてレコフが創設した『RECOF賞』が前身で、M&Aフォーラムからの強い要請もあり、学識経験者、行政担当者、M&A専門家、企業関係者(実業界)ならびに大学院、大学、各種専門学校を含めた学生にいたるまで幅広い分野に対象を広げ、新たにM&Aフォーラム賞『RECOF賞』として引き継がれた。

  第8回を迎えた今回は、法律、経営、経済、金融、M&A実務などM&Aに関わる様々な分野・問題を取り上げた12の書籍・論文の応募があった。

岩田氏  選考委員長の岩田一政氏(公益社団法人日本経済研究センター代表理事・理事長)のもと、大杉謙一氏(中央大学法科大学院教授)、西山茂氏(早稲田大学ビジネススクール教授)、丹羽昇一氏(レコフデータ執行役員)の3人の委員によって、①作品が創造性に富んでいること、②実用性・実務への応用可能性が高いこと、③問題点を先取りし、その解決の糸口を論じたもの、④M&Aの啓蒙に資するもので、業界全体への影響力が高いと判断されるもの、⑤理論的・実証的な分析を行っているもの、という観点で審査が行われた。

  岩田選考委員長は、「2次審査に残った作品はいずれも秀作であり、企業再生M&A、金融円滑化法の出口戦略とM&A、株式買取請求権、M&Aの人事労務管理、ジョイント・ベンチャー、不適当合併など、多様なテーマについての著作での選考となりました」として、次のように講評を述べた。

「M&Aフォーラム賞正賞『RECOF賞』を受賞した芦澤美智子著『スポンサー企業のケイパビリティと企業再生M&Aの成果』は、企業再生を成功させるためのケイパビリティがスポンサー企業からもたらされる場合、そのケイパビリティとは何かを理論的かつ実証的に解明した著作です。ここでケイパビリティとは、ある目的のためにリソースを配置・活用する組織能力のことであり、具体的には、縮小活動、業務改善活動、戦略的改善(市場浸透・新製品開発、新市場開拓、多角化)の3つのケイパビリティに分類できます。

  本論文では、まず、企業再生戦略、企業の競争優位の源泉であるケイパビリティ(リソース・ベースト・パースペクティブとダイナミック・パースペクティブがある)についてのサーベイ、同時に、企業再生戦略M&Aの先行研究〔内部化と取引費用論、ポジショニング、リソース・ベースト・ヴュー、組織学習アプローチ、リアルオプション理論〕をサーベイしています。
 

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