[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2015年10月号 252号

(2015/09/15)

第128回 物流業界~将来への危機感を反映するM&Aマーケット(下)

 澤田 英之(レコフ リサーチ部長)
  • A,B,EXコース

  本稿では、前号(第127回 物流業界~将来への危機感を反映するM&Aマーケット(上) 2015年9月号)の「1.物流業界の事業環境と最近のM&A動向」、「2.大手企業によるM&A動向」に続き、「3.有力企業によるM&A動向」「4.今後もM&Aは活発に」を執筆した。

3.有力企業によるM&A動向

■三井倉庫ホールディングス

  倉庫(普通倉庫)業界大手の中で、積極的にM&Aを行ってきたのは三井倉庫ホールディングス(旧三井倉庫)である。同社は三菱倉庫、住友倉庫に次ぐ業界3位(2015年3月期売上高実績1705億円)であり、他社の物流子会社を買収することによって機能強化や事業領域の拡大、物流業務の高度化などを図ってきた(図表8参照)。

  三井倉庫ホールディングスは、三井倉庫が2014年に各事業の成長を一層高めることなどを目的に持株会社制へ移行して発足した(図表9参照)。現在同社は、会社分割によって倉庫・港湾運送事業を分社化した「三井倉庫」と、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を分社化した「三井倉庫ビジネストラスト」の他、M&Aによって買収・改称した「三井倉庫エクスプレス」などを傘下に擁している。

(図表8)三井倉庫ホールディングスによる主要な買収及び合併

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