左から、京都M&Aアドバイザリー企業戦略部長・石川紘平氏、同代表取締役社長・田中基義氏、同情報開発チーム部長代理・高見研次氏
京都フィナンシャルグループ(FG)が、地方銀行界では全国でも珍しいM&A専門会社「京都M&Aアドバイザリー」を設立し、7月に開業した。事業承継や
カーブアウトなど、多様化・複雑化する企業のニーズに対し、銀行の一部門という枠を超えて迅速・適切に対応する。また、専門会社化により、意思決定の迅速化、外部機関との連携強化、専門人材の確保を高度化する。10年後には売上規模を現状の約5倍にあたる50億円に引き上げるという野心的な目標を掲げており、銀行持株会社グループとしての信頼性を武器に潜在市場開拓に挑む。
地方銀行界で初の試み
京都フィナンシャルグループ(京都FG)は2025年7月1日、M&Aアドバイザリー業務に特化した100%出資子会社「京都M&Aアドバイザリー」を設立した。これまで京都銀行の法人総合コンサルティング部が担ってきた機能を子会社に切り出し、M&A専門会社として独立させたもので、拠点を京都市下京区の京都駅前に置く。
近年、地方銀行がM&A専門子会社を設立する動きは増えている。しかし、その多くはM&A専門会社との共同の取り組み(例えばふくおかフィナンシャルグループとフーリハン・ローキーによる「FFG サクセション」など)によるものや、コンサルティング会社の一部門としてM&A業務を位置づける形態が主流となっている。銀行本体からM&A支援業務機能だけを完全に分離・独立させた「M&A専門会社」の設立は、地方銀行界で初の試みとなる。