[【バリュエーション】Q&Aで理解する バリュエーションの本質(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社)]

(2025/08/13)

【第11回】読者からの質問へのご回答

鷺坂 知幸(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー 公認会計士)

(監修)
中道 健太郎(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー)
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Question 1
本連載第2回(フリー・キャッシュ・フローの計算において重要な2つのポイント)に関する質問です。

IFRSでは、既にIFRS16号が適用されており、全てのリースは原則としてオンバランス処理することが求められていますが、日本基準においても、今後はリースをすべてオンバランス処理することが求められるようになります。そうなると、事業計画上、リースに関するPLとCFに不整合が生じることになりますが、この場合、リース契約をすべて賃貸借処理した前提で事業計画を組み直すのがベターなのでしょうか。それとも、オンバランス前提で計算(リース契約時に使用権資産と同額の設備投資の減算を認識し、以後の期間では減価償却を通じて加算)するのがベターなのでしょうか。あわせて、割引率の考え方についても解説していただけますでしょうか。
Question 2
(2-1) 本連載第7回(星の数ほど存在するネットデット調整項目の取扱い)に関する質問です。類似会社比較法での繰越欠損金の取扱いについては、類似上場会社において1社でも繰越欠損金があれば、ある程度は繰越欠損金の効果が織り込まれていると考えて、対象会社の繰越欠損金の影響は無視してもよいのでしょうか。それとも、何らかの調整を行うべきでしょうか。

(2-2) 本連載第2回(フリー・キャッシュ・フローの計算において重要な2つのポイント)に関する質問です。税務上の繰越欠損金の将来にわたる節税効果をDCF法で織り込むには、事業計画の税引後営業利益を課税所得と見立てて課税所得を減算するのでしょうか。それとも、節税効果は別途計算して事後で加算するといった計算を行うのでしょうか。また、その場合の割引率はWACCを用いるのでしょうか。計画期間で消化できない場合はどのようにするのでしょうか。
Question 3
本連載第7回(星の数ほど存在するネットデット調整項目の取扱い)に関する質問です。ネットデット調整において、非支配持分はどのように扱えばよいのでしょうか。
Question 4
本連載第7回(星の数ほど存在するネットデット調整項目の取扱い)に関する質問です。退職給付引当金および役員退職慰労金は、役員および従業員が事業に関与し、毎期費用計上するため、事業に直接関係する負債だと考えられますが、なぜネットデット調整の対象になるのでしょうか。
Question 5
本連載第9回(ユニコーンを生み出す公式:Startup Valuationの核心)に関する質問です。事業計画期間において、エクイティでの資金調達を予定している場合のDCF法上での取扱いを教えてください。また、ストック・オプションの発行を予定している場合の取扱いについても教えてください。
■筆者プロフィール
鷺坂 知幸(さぎさか・ともゆき)
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー、バリュエーション&モデリング統括、公認会計士。
有限責任監査法人トーマツ入社後、米国会計基準を含む大手金融機関の監査業務に従事。その後デロイト トーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に転籍し、無形資産価値評価、米国基準、国際会計基準ののれんの減損テスト支援、株式価値および事業価値評価等のバリュエーションサービスに関する業務に従事、現在に至る。

■監修者プロフィール
中道 健太郎(なかみち・けんたろう)
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 パートナー
トロント、ニューヨークでの監査経験を経て、1997年に来日。金融機関・金融商品・不良債権の評価、海外資源・インフラ案件の評価、機械設備の評価、訴訟・競争法関連の評価・証言を含め、幅広い業種・状況におけるバリュエーションサービスに従事、現在に至る。

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