三省堂本店一時閉店の衝撃 「
現状維持よりも挑戦することを選びました。約3年後、ここに全く新しい神保町本店を誕生させます。」5月8日の閉店セレモニーでこう発言したのが大型書店「三省堂書店」の亀井社長である。当日は同店との別れを惜しむ常連客で長蛇の列ができた。
書店を取り巻く環境は厳しい。1988年に約2万8000店あった国内書店数は2016年に約6000店まで急減、約30年で5分の1に縮小した(図表1)。当初は「街の本屋」と言われる小規模書店の閉店が多かったが、今回の三省堂本店の一時閉店に象徴されるように、ここ数年は大型書店の閉店も目立つようになってきた。
リアル書店はこのまま沈んでいく運命にあるのか。それとも三省堂社長の言う全く新しい書店に生まれ変わることができるのか。生まれ変わるとすればそれはどのような姿なのか考察したい。
図表1 書店数の推移
書店不況の原因...
■ 藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社、一般社団法人日本リサーチ総合研究所を経て、2020年4月より合同会社センスクリエイト総合研究所代表。株式会社東京商工リサーチ客員研究員を兼任。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。
ブログサイト「
藤原裕之のブログ アートとサイエンスの「あいだ」」を運営。