衰え知らずのレコードブーム
~米国ではレコードの売り上げがCDを上回る
今や広く世に知られることになったアナログレコード人気。その勢いは衰える気配がない。2020年に米国ではついにアナログレコードの売り上げがCDを追い抜いた(図表1)。80年代半ばにCDに主役の座を奪われ、一時は消滅の危機に追い込まれたアナログレコード。音楽市場を席巻するストリーミングサービスの陰に隠れつつも、着実に復活への歩みを進めている。
図表1 米国のアナログレコードとCDの売上推移
~ 日本でもレコードブームは継続中
日本でもアナログレコード人気は継続中である。米国のようなCDとレコードの逆転劇は起きていないが、2021年の国内アナログレコード生産額は前年比184%の39億円と、1999年以来の30億円超えを記録した(図表2)。
アナログレコード専門店も規模を問わず立て続けにオープンしている。筆者は時々渋谷の街を散策するが、行くたびに新しいレコード店がオープンしていて驚く。家電量販店に入ると、目立つ場所にアナログレコード・コーナーが設けられており、視聴コーナーで真剣に聴き入っている客の姿をみることができる。ブームは本物だと確信する瞬間だ。
図表2 日本のアナログレコードとCDの生産額の推移
~「ナガオカ効果」でレコード針の輸出が急増
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■ 藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社、一般社団法人日本リサーチ総合研究所を経て、2020年4月より合同会社センスクリエイト総合研究所代表。株式会社東京商工リサーチ客員研究員を兼任。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。
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藤原裕之のブログ アートとサイエンスの「あいだ」」を運営。