[M&Aスクランブル]

(2022/09/28)

オリンパス:祖業の科学事業を4276億円で売却 さらに進める選択と集中

マール企業価値研究グループ
  • 無料会員
  • A,B,C,EXコース
 内視鏡大手のオリンパスは2022年8月29日に、科学事業を行う特定子会社エビデントを米国投資ファンドのベインキャピタルに売却すると発表した。オリンパスの科学事業は生物用顕微鏡や工業用顕微鏡などの開発・製造・販売を手掛け、いわば同社の祖業ともいえる事業である。23年1月に譲渡する予定で、売却額は4276億円と巨額だ。祖業ともいえる伝統的事業まで売却するのは、経営資源を医療機器分野(内視鏡事業と治療機器事業)に集中させるためで、この分野の収益性を更に高めてグローバルヘルスケア企業へと脱皮を図ろうとしている。

 同社の事業ポートフォリオはもともと、医療事業、科学事業、映像事業と大きく3つあったが、数年前から経営資源を医療分野に集中させるべく、大胆な経営構造改革を進めてきた。実際、今回の科学事業の売却の前には、21年1月に映像事業(デジタルカメラ事業)を日本産業パートナーズに売却(発表は20年9月)している。同事業はスマートフォンなどの台頭で売却直前の決算(20年3月期)で営業赤字を計上、オリンパスの企業価値の向上に必ずしも貢献できる分野ではなくなっていた。

 オリンパスは2011年に発覚した巨額粉飾決算問題を契機に、ガバナンス改革に取り組んできた。その一環として、外部からいわゆる物言う株主(アクティビスト) を取締役として受け入れ、医療分野への選択と集中路線を明確にした。具体的には医療事業分野におけるM&A推進である。20~21年にかけて内視鏡関連、呼吸器関連、外科分野など欧米企業の買収を相次いで敢行、「世界をリードするメドテックカンパニー」に向けた基盤作りに邁進してきた。科学事業売却で得られる資金もM&Aを中心とした投資資金としての有効活用を念頭に入れているようだ。…


続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事