[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2023年9月号 347号

(2023/08/09)

【ロングリーチグループ】投資先のジャパンシステムグループの追加投資でBlueshipを取得した狙い

  • A,B,EXコース
津田敬太郎・ロングリーチグループ パートナー(左)と石田卓司・同、エグゼクティブ ディレクター

津田敬太郎・ロングリーチグループ パートナー(左)と石田卓司・同、エグゼクティブ ディレクター

2004年の創業のSaaSソリューションに強みを持つITサービス企業

 ロングリーチグループ(以下、「ロングリーチ」)は、投資先であるジャパンシステムの100%の株式を保有するDaylight Holding, L.P.及びJBホールディングスを通じて、2023年5月Blueshipの全株式を取得した。

 Blueshipは、2004年創業のSaaS(Software as a Service)ソリューションに強みを持つITサービス企業で、公共団体および民間企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援している。

 ジャパンシステムは、ロングリーチが2021年に買収した企業で、公共団体向けの財務会計ソフトウェア等の提供や民間企業向けのDXソリューションを含む各種ITサービスの提供を行っており、今回のBlueshipの株式取得は、ジャパンシステムによる追加投資と言える。

 ロングリーチは、日本を中心にアジア地域におけるプライベートエクイティ投資を行う独立系投資会社。2003年10月に設立され、東京と香港の2拠点を中心に投資業務と投資先事業支援業務を行っている。これまで3つのファンドを設立し、累計2000億円以上の運用を行っている。日本企業の事業ポートフォリオ改革に伴う“非中核事業の分社・独立化”が、ロングリーチグループの得意領域の1つである。これまで、日立ビアメカニクス(日立製作所)、富士通コンポーネント(富士通)、三洋電機ロジスティクス(パナソニック)、ファーストキッチン(サントリーホールディングス)、NOCアウトソーシング(オリンパス)、珈琲館(UCCホールディングス)、カフェ・ド・クリエ(サッポロホールディングス)、ウェルネス・コミュニケーションズ(伊藤忠商事)など多くのコーポレートカーブアウト投資を行った実績を持っており、ジャパンシステムも米国のDXC Technologyからのカーブアウト投資の1つである。

 ジャパンシステムグループによるBlueshipの追加投資の狙いを、ロングリーチグループの津田敬太郎・パートナー、石田卓司・エグゼクティブ ディレクターに聞いた。

<インタビュー>
地方自治体向けの会計システムや金融保険、通信に強いジャパンシステムとデジタルトランスフォーメーションに強みを持つBlueshipのシナジー効果は大きい

 津田 敬太郎(ロングリーチグループ パートナー)
 石田 卓司(同 エグゼクティブ ディレクター)

米国DXC Technologyからジャパンシステムを買収

―― ロングリーチグループ(以下、「ロングリーチ」)は、投資先であるジャパンシステムの100%の株式を保有するDaylight Holding, L.P.(以下、「Daylight Holding」)及びJBホールディングスを通じて、Blueshipの全株式を取得しました。Blueshipへの追加投資については後ほどうかがいますが、まず、ジャパンシステム買収の経緯から聞かせてください。


この記事は、Aコース会員、Bコース会員、EXコース会員限定です

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事

アクセスランキング