[藤原裕之の金融・経済レポート]

(2024/04/24)

ツルハ・ウエルシア統合が示すドラッグストア業界の向かう先 -「一気通貫型の健康・医療サービス」を巡る競争へ

藤原 裕之((同)センスクリエイト総合研究所 代表)
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事業環境悪化で高まる業界再編

 ドラッグストア業界の再編機運が高まっている。イオン、ツルハホールディングス(HD)、ウエルシアホールディングスの3社は2月28日、2027年末までの経営統合に向けた協議を開始すると発表した。ツルハHDは売上高9700億円(23年5月期)、ウエルシアHDは売上高1兆1442億円(23年2月期)。経営統合で売上高2兆円超となり、業界シェア2割超の日本最大のドラッグストア企業が誕生する(図表1)。

 ドラッグストア業界再編の背景にはコロナ後の事業環境の悪化がある。ウエルシアHDの24年2月期売上高は増収を確保したものの純利益は減少し、会社計画に届かなかった。外出需要の回復で化粧品などの販売は好調だったが、検査薬など新型コロナウイルス関連商品の反動減が起きたこと、22年の調剤報酬・薬価改定で利益率が悪化したこと、23年3月末には加算の減額を猶予する経過措置が終了したことなどが影響した。...

■ 藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)

略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJアセットマネジメント株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社、一般社団法人日本リサーチ総合研究所を経て、2020年4月より合同会社センスクリエイト総合研究所代表。株式会社東京商工リサーチ客員研究員を兼任。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。
ブログサイト「藤原裕之のブログ アートとサイエンスの「あいだ」」を運営。

※詳しい経歴・実績はこちら
※お問い合わせ先:hiroyuki.fujiwara@sense-create.co.jp

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