[ポストM&A戦略]
2015年4月号 246号
(2015/03/15)
特にクロスボーダーM&Aの場合、マネジメントとガバナンスを峻別し、優れた現地の経営者を登用して買収先のマネジメントをさせ、買い手はその経営者に対して十分にコントロールする(ガナバンスする)という考え方が有効であり、買い手の希少な人材資源のレバレッジも利くと考えている。
買収後のガバナンスとマネジメントのあり方は、一体で設計される。すなわち、買い手が志向するガバナンス、あるいは買い手にとって現実的なガバナンスをとることによって問題が生じないように、マネジメントの仕組みを一体的に設計する必要がある。また逆に、マネジメントの仕組みで対応できないところが残る場合は、ガバナンスを強化することが必要となる。
今回は、買収後のガバナンスの全体設計について解説する。
買収先への常駐派遣の考え方
海外の買収先に常駐で人を送り込むかどうか、送り込む場合の方法をどうするか、というのは日本の買い手各社に共通する課題であろう。誰かしっかりした人を送り込むことができれば日本本社としてはひと安心、というシンプルな考え方では、「いいからまず現地に行って、あとは何とかしろ」と言わんばかりで、送り込まれる人の荷が重すぎるし、送り込んでも思った通りにうまく機能しない恐れもある。
現地に誰も買い手側の人間がいないのはあまりに心配、という理由で、例えば経理・財務に詳しい人材を日本から(あるいは既存の海外出先から)送り込むとする。よくありそうなパターンには、1) 買収先のCFOとして送り込む場合と、2) CFOの下の実務者として送り込む場合がある。また、3) 地域統括会社に送り込む場合も考えられる。
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